在韓軍人軍属裁判の要求実現を支援する会ニュースレター 「未来への架け橋」 NO.88 (2017.12.16発行) |
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太平洋戦争被害者推進協議会の |
沖縄戦住民遺族からのDNA鑑定希望者名簿158名分を厚労省に提出! |
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太平洋戦争被害者補償推進協議会共同代表
はい、12月18日、太平洋戦争被害者補償推進協議会の事務室は「植民地歴史博物館」が新設されるビルの5階に移転します。新しい事務室の隣には強制動員被害者遺族や市民が交流できる空間が設けられる予定です。ビルはソウル市龍山区、南山を見渡すことができる場所にあります。ソウル駅から地下鉄4号線で1駅(淑大入口駅)と、交通も便利な場所です。 Q2 新しい場所でどういうことをしたいですか? 強制動員被害者や遺族がなぜ苦しみながらも長年活動を続けてきたのか、日本の支援者と共にどのような活動をしてきたのか、その痕跡を集め、整理し、歴史に残し、次世代に語り継いでいきたいと思っています。また、これまで共にしてくださった日本の皆さまと新しい気持ちで会い、交流を続けていきたいと思っています。この間なかなか会うことができなかった方々にも、新しい場所で、初めて会った時のように再会できればと思っています。
Q3 来年に向けて遺骨問題の展望があれば教えてください。 これまで私たちが共にしてきた努力の痕跡をもう少し発展させ、被害者や遺族の心に響く成果につなげていくための活動の第一は、遺骨問題だと考えます。現在、韓国政府は、強制動員被害者遺族のDNAを収集し、国立科学捜査研究院でデータベースを構築するための予算を立ててはいますが、私たちは、そこからさらに一歩進んで、日本政府と共同調査を進めるよう、韓国政府に働きかけていく予定です。
Q4 最後に日本の支援者へメッセージをお願いします。 強制動員被害者団体を支援してくださり、真心を集めてくださっている日本の皆さまには本当に感謝の気持ちでいっぱいです。この気持ちを直接言葉で伝えられないことをいつも残念に思っていますが、私たちは表情で語り合うことができ、私たち遺族はその表情を通じていつも幸せを感じています。皆さま、楽しく幸せな年末年始をお過ごしください。そして2018年、新しい場所で、新しい気持ちで会いましょう。ありがとうございます。 |
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「植民地歴史博物館」の開館(2018年3月)に向け、着実に準備が進んでいます! 郵便番号:04310 Seoul特別市龍山区青坡路47Da-gil27 3F 電話 82-2-969-0226 |
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沖縄戦の犠牲者は沖縄や日本人だけでなく、韓国の方も多くいます。韓国の故郷に遺骨が帰れるようにしなければなりません。そのための有効な方法として、安定同位体検査という方法があります。導入できないかと国会議員に働きかけていくことを考えています。また沖縄だけではなく、海外戦没者の遺骨を故郷に戻すためにも声を上げていかなければならないと考えています。 まだまだやるべきことは一杯あります。韓国遺族の皆さんと一緒に努力してやっていければと思います。ともにがんばりましょう! |
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遺骨を家族の元へ!
現在、沖縄・魂魄の塔をはじめ、地域の慰霊塔の中に数多く(600を超える)遺骨が眠ったままで、DNA鑑定を通じて希望する家族の元へ返すことができる可能性があります。厚労省は手足の四肢骨をDNA鑑定の対象とする表明はしましたが、一方で片方の骨だけでは対象にしないなどのハードルを設けています。私たちも全ての骨片まで鑑定しろとは言いませんが、遺族にとって1本でも「父」「兄」「祖父」なのです。この日は、遺族に納得のいく基準を設ける必要があることを中心に国会議員への働きかけを行い、3人の議員本人や秘書と長時間意見交流することができました。白眞勲議員からは「遺骨は必ず委員会で議論したい。600体が目の前にあってなぜやらないのか、しつこく追及するので待っていてほしい」と今後も遺骨問題の追及を約束いただきました。 来年2月頃には国会内集会を開催する予定です。当面、沖縄で先行例を作る努力をし、その後いよいよ韓国人遺族の声に応えるため、日韓両政府を突き動かすための運動を展開したいと考えています。引き続きご支援ください。
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ソウルでは、太平洋戦争被害者補償推進協議会の事務所で李煕子(イ・ヒジャ)さん、金鎮英(キム・ジニョン)くん、野木さんに会う。林鐘國(イム・ジョングク)賞授与式で遺族の方々が集まるというので、会う約束をする。事務所横の店で食事をした。トランプ来韓で愛国団体が歓迎で盛り上がっていて、その店にドッと入って来た。ジニョンくんと私が日本語で話していて、ヒジャさんは黙っていた。 次週、賞授与式には、李ヒジャさん、申明玉(シン・ミョンオク)さん、崔洛(チェ・ナックン)さん、朴進夫(パク・ジンブ)さん、鄭倫R(チョン・ユニョン)さんに会い食事をしたが、その場に日本語のわかる人はいなかった。前日までに遺骨の安定同位体についての説明をハングル語で用意はしていたが、話しをしても、それに対する返答や質問がどこまで聞き取れるか不安で話を出せなかった。
3月には ソウルに植民地歴史博物館がオープンする。イムジョングク賞授与式でも、参加者が「植民地歴史博物館を共に作ろう!」のプラカードを上げて写真を撮ったが、開館に向けた熱気が伝わってきた。事務所も12月引っ越しに向けて梱包された段ボールが積みあがった中で会議も開かれていた。 来年4月か5月には 日本の遺族と共に博物館の見学と韓日遺族の交流・一泊旅行を実現したい。朝鮮半島からも、国は「国民」として徴用徴兵したにも関わらず、戦後は国籍条項を盾に戦後補償はもちろん、戦死通知書すら出すことなく放置してきた。日韓遺族への対応は全く異なる。しかし、父や兄を失った遺族の悲しみは共通する。当事者同士の交流から日韓友好のベースを築いていきたい。
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前回の裁判で、民族的人格権は韓国人の無断合祀問題の根幹であること、生成過程の人格権であり、基礎づける事実の審理が不可欠であることを原告側から強く主張してきました。しかし、被告側からは、原告が提示した植民地支配から強制動員、原告らの肉親の死、戦後の無断合祀に至るまでの歴史的事実について、正面から答えようとしていません。今回も、靖国神社は「原告らがその近親者である父や兄について、被告靖国神社が行った合祀を不快に感じて異議を唱えているものとみてとれることは別論、そうであるからといって、当該合祀が強制や不利益の付与を伴うことにより原告らの信教の自由を妨害したものと評価するに足る事実が主張されているものとは認め難い」と山口事件最高裁判決を立てに木で鼻をくくったような準備書面を提出しただけです。 意見陳述に立った李仁馥さんは、「父のいない私の人生は、本当に言葉にできないほど苦しくて悲しいものでした」「父が日本軍に動員されなかったら、家族がバラバラになることはありませんでした。父が戦争に連れていかれたために、私は「お父さん」と一度も呼んだこともありません。父は天皇のために戦ったのではありません。日本に殺されたのです」と訴えました。この遺族の訴えに、「信教の自由」を立てに、無断合祀を合理化する靖国神社の厚顔無恥さに憤りを覚えます。 原告側からは、準備書面(原告21)(合祀論)、準備書面(原告22)(民族的人格権論)、準簿書面(原告23)(人格権論=セクハラ訴訟)、準備書面(原告24)(人格権論=総論)の4本の準備書面を提出し、執筆した各代理人から概要の説明を行いました。ヘイトスピーチ訴訟やセクハラ訴訟など新しい人格権訴訟の到達点を提示したことは大きな意味があると思います。また、日本国が合祀問題について、準備書面3で一定の答弁を行ったことに対し、沖縄県公文書館から入手した靖国合祀関連文書等を提出し、新編靖国神社問題資料集の文書を詳細に提示して、徹底的な反論を試みました。裁判長は相変わらず、事実認否を拒否する被告に対し、消極的な姿勢に終始していました。こうした姿勢を見た、国の代理人が「そろそろ争点も煮詰まってきたので」と暴言を発しました。原告代理人が、「事実認否もしないでどこが煮詰まっただ。裁判所は責任をもって被告に対して事実認否を求めろ」と要求し、裁判所は原告代理人の求めに応じて、調書に残す一幕もありました。 事実認否をめぐるギリギリの攻防が続いています。次回以降の裁判にもぜひ注目してください。 ノー!ハプサ第2次訴訟第14回口頭弁論 2018年3月20日(火) 午後2時〜 東京地裁103号法廷 |
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「明治産業革命遺産」に「真実の歴史」を対置して (中田)
そして今年12月1日にユネスコに提出された報告書には、2019年度に東京に「労働者の歴史」も盛り込んだ情報発信のための「産業遺産情報センター」を設置する予定だが、強制労働が行われた九州から遠く離れた東京に設置すること自体が「負の歴史」を覆い隠そうとしているとしか思えない。 すでに産業遺産国民会議は、ホームページ上で「軍艦島の真実 −朝鮮人徴用工の検証」と題する3本の映像「誰が世界に誤解を広めたのか」「誰が軍艦島の犠牲者なのか」「誰が歴史を捏造しているのか」を公開し、「軍艦島は「地獄島」ではありません」と言う元島民の証言を公開している。この中で元島民らは、当時朝鮮人への差別は全くなくともに仲よく暮らし、戦後も「海岸に行って手を振ってさよならと言ってみんなを朝鮮に帰した」「お別れというのはものすごく悲しかとさ」など朝鮮人の帰国も暖かく見送ったと証言している。ここには「戦後」をクローズアップさせることによって、何としても「戦中」の強制連行の歴史的事実を誤魔化そうとする意図が見え隠れする。元島民らが見送ったのが、強制連行以前から働いていた朝鮮人家族であるのか、強制連行されてきた朝鮮人なのか。それも曖昧な断片的な証言をそれだけが真実であるかのごとく思い込ませるのは、安倍首相が得意とする「印象操作」だ。また、産業国民会議は近く日本に居住する在日朝鮮人を含む元島民ら約60人から聴取した計約200時間の映像記録の一部を公表するとも言われている。おそらくこのような都合よく切り取った「記録」ではないかと思われる。 来年は明治維新から150年、2019年は天皇の代替わり、2020年は東京オリンピック開催の年である。新たな「国民統合」の嵐の前の前哨戦とも言える「明治産業革命遺産」をめぐる「歴史戦」に「真実の歴史」を対置して粘り強く闘っていかなければならない。 |
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読書案内 『ペリリュー 楽園のゲルニカ』 武田一義 作 白泉社発行 1巻600円(現在3巻まで発刊) 日本漫画家協会賞(優秀賞)受賞作品 太平洋戦争末期のペリリュー島 サンゴ礁の海に囲まれた 楽園の島が戦場になった。米軍は4万人 火炎放射器 ナパーム弾等 容赦なき戦闘態勢に対し、日本軍1万人には長期持久戦に徹すべしという命令が下されていた。ここに漫画家志望の兵士田丸(かわいいキャラ)がいた。この主人公と共にいる兵士を通して、戦場に放り込まれた若者が過ごした?日常”はどのようなもので、何を思い過ごしたか、リアルに描かれている。「持久に徹すべし」という命令は、食料も弾薬の補給も無く“最後の切込み”も許されない状況を維持すること。田丸は「お国を守るために戦争に」来たが、水場の前で倒れた兵を見て、「水を手に入れるために死んだ。」と呟く。過去の戦場が 漫画によって私たちの前に表れる。ペリリュー島には今も2500人の遺骸が放置されたままだという。現在3巻まで出版されていて、4巻が2月に発売予定で楽しみだ。(木村) |
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真相究明ネット第11回全国研究集会のご案内 |
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