クエゼリン島戦死韓国遺族が来日。遺族の高齢化は待ったなし!
今こそ科学的なDNA鑑定で、遺骨を故郷・家族のもとへ!
靖国合祀で「英霊」と褒め称える一方、100万を超える遺骸放置。私たちはその中に必ずある韓国人の遺骨を「故郷・家族の元へ」と運動を進めてきました。この間、沖縄や硫黄島など国内や海外で発見された遺骸の帰還が進み、昨年5月、菅官房長官は「遺品がなくても、ご遺族にDNA鑑定を呼びかけ、気持ちに応えるのは政府の役割」と表明、DNA鑑定のデータベース化方針を打ち出しました。一方で9月、衆議院で「戦没者の遺骨収集の推進に関する法案」が通過し、今国会、参議院で継続審議されますが、定義に「我が国の」とあり、日本人以外が排除される懸念があります。このニュース発行の頃には可決されているかもわかりませんが、「基本計画」策定での議論に反映させましょう。
私たちはこの間、沖縄・ガマフヤーの具志堅隆松さんと共同で国会議員要請行動に取り組む中で、DNA鑑定のスペシャリストと出会うことができました。そこで判明したのが、厚労省が言ってきたDNA鑑定基準が恣意的な疑いがあるということです。
次回(3月16日)ノーハプサの口頭弁論には父がクエゼリンで戦死したGUNGUN原告でもある鄭鎮福(チョンジンボク)さんが参加します。3900人中、3700人が戦死した小さな島から、昨年15の遺骸が帰還しました。そのうち8体からDNA鑑定が可能な検体(歯)が採取できています。その中に今回の遺族の父が含まれている可能性があるのです。もうあいまいな逃げは許されません。
16日は裁判後、参議院会館でDNA学習会を。翌17日には国会議員立ち合いで厚労省交渉を行います。引き続きご支援をよろしくお願いします!
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「戦没者の遺骨収集の推進に関する法律案」
いよいよ参議院で審議開始! (上田)
4次にわたる国会議員要請行動
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民主党森本議員と |
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共産党小池議員と |
韓国人遺骨問題の解決に向け、「戦没者の遺骨収集の推進に関する法律案」は、2月18日にも審議が厚労委員会で開始される情報が入ってきています。このぐんぐんニュースが皆さんに届いている頃はすでに法案は参議院で可決されているかも知れません。
私たちは、8月以降、4次に渡る国会議員要請行動を行ってきました。詳細にはふれませんが、我々が要請した議員は、与野党の6つの政党に及びます。残念なことに5月12日の参議院厚労委員会で、DNA鑑定の展望を切り開いていただいた白真勲議員は厚労委員会を交代となりましたが、今後も日韓議員連盟を中心に活動していただけることになりました。 4次に渡る要請行動の中で、ある議員事務所は、本気で厚労省と向き合い、厚労委員会での審議に向け、韓国人遺族のために厚労省と折衝を重ねていただきました。ある議員事務所は、私たちが訪問すると厚労省の遺骨担当の部署にその場で直接電話をかけ、私たちがなかなかわからない、厚労省の考えを引き出していただきました。このことは、反論を作り上げる大きな力になりました。また、ある議員事務所からは、国会での審議の駆け引きについて「負けないための方法」を伝授していただきました。この行動には、沖縄のガマフヤー(ガマを掘る人)の具志堅隆松代表も2度にわたり参加いただき、沖縄戦の遺族と韓国の遺族の問題を重ねて、国会議員に要請し、幅広い支援が得られました。
法案は参議院を通過するのは間違いありませんが、衆議院では行われなかった、希望する遺族にDNA鑑定を呼びかけるべきであるという議論や、韓国人遺族の問題を真正面から取り上げた議論が行われることを期待するしかありません。塩崎厚労大臣と厚労省はこれらを否定したり、あやふやなことを言って逃げ切っているかもしれません。
国会議員要請行動での運動の成果とDNA鑑定専門家との出会い
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具志堅さんと山田さん(右) |
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しかし、どのような結果になろうと、この過程で、ぐんぐん裁判支援する会が得たことが、2つあります。一つ目は、国会議員ロビー活動などしたこともなかった私たちが各党の厚労委員会の中心的議員に、堂々と要請・調整できる力を得たことです。戦後70年、何としても実現したい沖縄戦や韓国の遺族の思いを背負って、しっかりと政治の壁に体当りし、確実によじ登った経験は大きな財産です。2つ目は遺族のためのDNA鑑定の拡大という目標に向かい、その科学的・経験的根拠を得る協力者が現れたことです。政府の諮問機関DNA検討会は著名な学者で構成されていますが、厚労省はかん口令を引き、「マスコミや市民団体に情報を漏らさないように」と何度も会議で言っていることは、その委員から直接聞いた事実です。このように政府や警察はDNA鑑定の情報を独占し、運用しているという問題があります。しかしそのDNA鑑定で民間のNPOから私たちへの支援を表明していただきました。裏話的な話ですが研究所の所長さん(山田さん)が博多の屋台で飲んでいると、具志堅さんがNHKラジオに出ていて、屋台から電話して連絡先を聞き、協力したいと申し入れたそうです。文化系の集まりのような我々に、「天の助け」と言える協力者ができました。
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議員秘書にDNAについて説明 |
法案通過後は「基本計画」策定での議論へ
法案の審議経過がどのようになろうと、私たちの方針は明確です。この法律は第5条で政府は、基本計画を策定しなければならないとしています。そして、その案は厚労大臣が作成し政府に提出することになっています。私たちは参議院厚労委員会の議員の中にこの問題を浸透させてきました。その結果は審議で明らかになるでしょう。今度は衆議院の厚労委員会へも同じように行動を拡大し、両国会の厚労委員会に、大きな支持の流れをつくりだすことです。収容した遺骨に旧日本兵である韓国人の遺骨が含まれていることは否定しがたい事実です。その事実をもとに、韓国政府と日本政府を動かすべく日韓議員連盟の決議の実行に向けて両国議員への要請を強めるのみです。法案は、遺骨を遺族に返すことを求めています。
クエゼリン遺族を先頭に「遺骨を韓国の家族の元へ」の運動を!
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クエゼリン |
私たちは、おそらく法案通過後の3月に、大きな闘いを準備しています。昨年の第2回厚労省交渉で、クエゼリン島の遺骨流出について15体の遺骨が出て8件のDNA鑑定できる検体が出たことが明らかになりました。3月17日、クエゼリンの韓国人遺族が第3回の厚労省遺骨交渉を行います。主要な議題は、沖縄戦の遺族へのDNA鑑定がどのように進んでいるかとクエゼリンの韓国人遺族の鑑定への参加を求める交渉になります。法案通過後のタイミングで、厚労省に基本計画の中に入れろと強い要求を行います。また前日の16日3時40分からは「戦後70年、遺骨を遺族に返すためのDNA鑑定国会議員・市民学習会(仮称)」を参議院会館で実施します。講師は先ほど紹介した、NPO遺伝子情報解析センターにお願いします。「文系でもわかるDNA鑑定」と称した学習会ですので、安心して参加してください。この学習会も、私たちが参議院から衆議院へも運動を拡大していく第1歩の取り組みになると思います。また韓国でも遺族の声を政府に伝えるべく、記者会見・政府への要請行動が3月に計画されています。
「文系でもわかるDNA鑑定」
ここで、少し私たちがレクチャーを受けたDNA鑑定の話をします。「すべての希望する遺族にDNA鑑定を呼びかけて」という要求に、厚労省が拒否する理由は次のとおりです。「沖縄戦で20万人がなくなったとして、1つの遺骨が出てきたら、それに該当する可能性のある人は20万人いる。DNA鑑定しても、99.99パーセント合致する確率しか出ないので、1万人いるなら1人しか合致する人はいないけれど、20人が合致することになる。だから、99.99%の確率で親子が合致しても違う人の場合がある。だから、軍の資料で部隊を絞れば、例えば1万人から5千ぐらいしかこのあたりで死んだ可能性はないというのであれば、確率論的にクリアーできる」というものです。
頭が痛くなりますね。しかし、沖縄戦で、DNA鑑定で遺骨を遺族に返した4例の内、2013年に浦添市前田小学校前で田端耕三さんの遺骨が見つかりました。遺骨のそばに印鑑があり、DNA鑑定をしてご遺族の田端一夫さんに69年を経て遺骨が返還されました。しかし遺族に届いていた死亡通知には「昭和20年5月29日沖縄本島山川の戦闘において戦死」と別の市で戦死となっていました。部隊は次々と再編され,軍の戦死記録はでさえも死亡場所を特定できないほどの過酷な実情にあったと言えます。まして、一般の県民の死亡場所の情報などほとんど無いのです。沖縄戦の過酷な状況や、今後のDNA鑑定の技術の発達、そして遺族の高齢化を考えたときに、希望する遺族から検体をとりデータベース化しておくことに、どうして厚労省は反対するのでしょうか。また、研究所のレクチャーでは現在の技術はDNAの基本的技術である @STR法 に加え、AY染色体検査、Bミトコンドリア検査 を追加で行い、飛躍的高い確率で家族であることを確認できるということを学びました。(別添資料をお読みください。)このようにできることを全てやって、そこに軍の資料をより確実なものとするために補足すればいいのではないでしょうか。軍の資料そのものも確実なものでないことは、専門家の厚労省も知っているのです。
最後に、このような大きい課題。大きな山の4合目・5号目を私たちがしっかり登りきれているのかどうかは、法案審議の結果を見なければわかりません。しかし私たちの、韓国遺族とともに取り組みが、沖縄戦遺族のために40年に渡り取り組んできた具志堅さんと繋がり、2つの運動の力が、政治家や研究者とも繋がり始めました。
今後ともご支援をよろしくお願いします。(2/14)
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今も発掘される遺骨 |
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戦没者の遺骨収集の推進に関する法律案に対する附帯決議
平成28年2月18日 参議院厚生労働委員会
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
1 戦没者の遺骨収集の推進に当たっては、戦後70周年を迎え、戦没者の高齢化が進展している現状に鑑み、平成36年度までの集中実施期間において遺骨収集が確実に実施されるよう、職員の配置、関係行政機関との適切な連携など、遺骨収集のための体制を十分に確保するとともに、必要な財政上の措置を講ずること。また、事業の実施状況について、定期的に本委員会に報告を行うとともに、有識者会議において検討を行い、その結果や助言等を踏まえ、事業の在り方について適宜是正・改善を行いながら事業を実施すること。
2 戦没者の遺骨収集や情報収集に当たっては、相手国の国民感情にも十分配慮した上で、関係国の政府等の理解と協力を得て実施すること。また、現地の事情に精通し、幅広い情報網を有する民間団体等との連携を強化し、支援すること。
3 戦没者の遺骨から抽出したDNA情報のデータベース化に当たっては、できるだけ多くの遺骨の身元を特定し遺族に引き渡せるよう、遺族からの幅広いDNA検体の提供の仕組みについて検討すること。また、DNA情報を始めとする個人情報の管理に当たっては、漏えい、目的外使用等の事態が生じないよう厳格な措置を講ずること。
4 指定法人の指定に当たっては、遺骨収集および情報収集に関する経験や知見に十分配慮し審査を行うこと。また、指定法人による業務が適正かつ確実に実施されるよう、指定法人に対する指導・監督に万全を期すとともに、その業務運営の透明性と適正な実施を確保するため、指定法人から厚生労働大臣に提出される事業報告書及び収支計算書を公表すること。
右決議する。
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3月ノー!ハプサの口頭弁論にGUNGUN原告クエゼリン遺族が来日!
遺骨DNA問題で国会議員院内学習会を開催!
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玉砕を伝える新聞 |
3月16日ノー!ハプサの口頭弁論に、お父さんがクエゼリンで戦死したGUNGUN原告の鄭鎮福(チョンジンボク)さんが参加します。
2014年、「マーシャル諸島クエゼリンでは、気候変動に伴う海面上昇で海岸が浸食され、約20体の日本軍兵士の遺骨がむき出しになっていることが6月9日政府高官により明らかにされた」との報道を受け、GUNGUNが6月に行った厚労省交渉の結果、「クエゼリン環礁エニンブル島で発見された遺骨については、地表に露出した遺骨は既に収容し、マーシャル国内で保管されている。11月から実施する遺骨収集帰還応急派遣により、それらの遺骨を受領するとともに、エニンブル島での調査・収容を行う」(11/17付厚生労働省社会・援護局援護企画課外事室)と回答がありました。そして2015年6月厚労省交渉の結果、15の遺骸が帰還し、そのうち8体からDNA鑑定が可能な検体(歯)が採取できていることが判明しています。
クエゼリンとは日本から南へ4000キロ、赤道に近いサンゴ礁の島。日本の統治領で、太平洋戦争中アメリカ軍の攻勢によって1944年2月6日にクエゼリンの守備隊が玉砕した島。3900人中、3700人が戦死した小さな島から8体からDNA鑑定可能な検体が採取できています。その中に今回の遺族の父が含まれている可能性があるのです。
今回16日は裁判後、参議院会館でDNA学習会を。翌17日には国会議員立ち合いで厚労省交渉を行います。ぜひノーハプサ裁判の傍聴と学習会にご参加ください。
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クエゼリンの位置 |
クエゼリンにある戦死者墓標 |
3月16日(水)
13:30 ノー!ハプサ第2次訴訟第7回口頭弁論(東京地裁103号法廷) |
15:00 参議院議員会館(B−104号室)で総括集会
15:40 遺骨DNA鑑定に関する学習会(同会場) |
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ノー!ハプサ第2次訴訟 第6回口頭弁論報告(山本)
戦後70年の「不戦の日」を一日行動として取り組む
12月8日、戦後70年の「不戦の日」に、ノー!ハプサ(NO!合祀)第2次訴訟の第6回口頭弁論が行われました。当日午前には、朝鮮高校無償化裁判もあり、戦後を問う一日行動として取り組まれました。
父の死を2001年に知った李美代子さん
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李美代子さん |
裁判の冒頭に、原告の李美代子(イ・ミデジャ)さんが意見陳述を行いました。李さん2歳のときに、お父さんが日本陸軍に動員され、一度、祖父が病院に訪ねた後は、全く消息が分からなくなりました。母は再婚し、李さんは祖父母の手で育てられましたが、待ち焦がれた長男が帰って来ないため、祖母は精神に異常をきたしてしまったといいます。李さんがお父さんの消息を知ったのは、2001年12月17日の事でした。韓国の国家記録員の資料で、お父さんが1945年7月2日にフィリピンのルソン島で戦死していたことがわかったのです。しかし、同時に驚くべき事実もわかりました。お父さんが靖国神社に合祀されていたのです。李さんは訴えます。「韓国に遺族がいるのは厳然とした事実なのに、日本政府は父の戦死通知書も送ってくれませんでした。そして、父の遺骨も探してくれませんでした。それなのに、こんなにも待ち焦がれていた家族を無視して、何故父を勝手に靖国に合祀することができたのでしょうか。日本政府と靖国は私の問いに答えなければなりません。日本が戦争を起こさなかったら、父が遥か遠いフィリピンまで行って、死んだでしょうか?祖父、祖母が息子をどれほど待ち焦がれただろうか、考えてみてください。そのことを思い出すと、いまも心の中から日本政府と靖国に対する憤りが込み上げます。その憤りは私が死ぬまで忘れられないでしょう。」日本政府、靖国神社は李さんら遺族の訴えに答える義務があります。
法的な主張をめぐる原告・被告・裁判所のせめぎあい
今回の裁判に、原告側は「援護措置からの排除」(準備書面8)「遺骨返還・戦死通知」(準備書面9)「法律論」(準備書面10)を提出しました。原告側の主張はこれで一応完結しましたが、裁判所は国側の求釈明等の法的主張に対する原告側のさらなる反論を求めています。次回3月16日の第7回口頭弁論でさらに原告側が法的主張を追加し、6月14日に次々回第8回弁論期日が設定され、これに対する被告日本政府と靖国神社からの反論に移ります。証拠調べも含め、今年は大きな山場になります。
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栗原さん |
遺骨収容・返還に向けた問題点と立法化の現状を学習
当日夜には、戦後処理問題を長く取材してきた毎日新聞記者の栗原俊雄さん(岩波新書「遺骨」著者)を講師としてお迎えし、「戦後70年の12・8 終わっていない戦争」というタイトルで「不戦の日のつどい」も開催しました。栗原さんは硫黄島での遺骨収集活動に参加され、映像を交えながら過酷な発掘作業が遺族の皆さんのボランティアによって成り立っている実態を報告。日本政府の無責任さを指摘しました。在韓軍人軍属裁判の要求実現を支える会(GUNGUN)からは、DNA鑑定を実行させるための国会議員との連携の下での対政府交渉や遺骨収容の立法の現状について報告されました。
第7回口頭弁論 2016年3月16日(水)13時半〜 東京地裁103号法廷
第8回口頭弁論 2016年6月14日(火)10時半〜 東京地裁103号法廷 |
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「戦没者追悼と平和の会」の
沖縄戦遺骨調査活動に参加して(木村)
1月15日〜17日、NPO法人戦没者追悼と平和の会の「沖縄戦戦争犠牲者追悼の旅」に参加しました。今年で12回目となるこの会に2年前に初参加し、今回2回目の参加。参加者は20数名、20代の若者から高齢者まで幅広い。
16日、バスで糸満市喜屋武岬まで移動、周辺のガマで戦争犠牲者の収容と追悼を行う。ガマの中では、ヘルメット、膝サポーター、ヘッドライトが役に立つ。ヘッドライトの明りで足元を確かめながら、岩と岩の隙間にヘルメットをゴツゴツいわせ体を滑り込ませ中に入る。途中の通路には、上から厚さ20センチ程でひと抱えもある岩盤が落ちていた。あちこちに狭い空洞も見られる。ガマの入り口とその周辺での収容作業だった。入口と言っても地表から一メートル以上下りた所で3人下りれば身動きが取りづらい。ひたすら岩と土をかき出す。入口の小さな低い石垣の内側も掘った。一度決めた姿勢を変えられない状態での作業。入口からは、小さな骨が一片、多分足の指の骨だろうと。防毒マスクのレンズと止め具類が数点、靴底、瀬戸物の食器類が数点見つかった。具志堅さんが一つ一つ確認。夕方、終了前には参加者が入口の前に集まりお線香を供え、手を合わせた。掘り出された物は当時ここで身を隠しておられた方の痕跡であり、やはり沖縄なんだと感じた。ある参加者の方は、「お父さんは運玉森のあたりで亡くなったのではないかということがわかった。国は何も知らせてくれないことに怒りがわく。来ると怒りが収まるが、戦争への怒りは収まらない」と感想を語った。塩川さんは、「原点は戦争を起こさないこと。まだ防空壕には、たくさんの骨が埋まっている」と。ぐんぐん裁判判決で「国は占有していない遺骨を遺族に返すことはできない」としたが、国が戦争を起こし命を奪った以上、遺族の元に遺骨を返すのは当然のことだ。
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沖縄で遺骨発掘 |
ガマの入り口 |
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遺骨返還という大きな課題に
一歩踏み出した「長生炭鉱水没事故」(中田)
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長生炭鉱に向かい祈り |
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「長生炭鉱水没事故」。1942年2月3日、山口県宇部市にある長生炭鉱の坑内に海水が流入、坑道が水没し183人の炭鉱労働者が犠牲となる事故が発生、そのうち135人が朝鮮半島出身でした。水没事故直前の1941年のピーク時には宇部炭田で第3位の生産量を誇るまで生産を拡大していましたが、それは当時、長生炭鉱が別名「朝鮮炭鉱」と呼ばれた歴史からわかるように、41年から43年の3年間の間に労務動員計画の合計数が1630名(雇入総数1,258名)と他の炭鉱と比べて群を抜いて多くの労働者を強制連行・強制労働させた結果でした。82年に「永遠に眠れ/安らかに眠れ/炭鉱の男たちよ」という文言だけが刻まれた「殉難者の碑」が建立されましたが、強制連行の歴史を隠蔽する「殉難者の碑」に反対し歴史的事実を明らかにしようと市民が立ち上がり「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」を発足させました。当時の「殉職産業人名簿」という殉職者名簿と現在も地元の寺に保管されている犠牲者の位牌の名前を照合して、犠牲者の本籍の住所宛てに118通の「死者への手紙」を送ったところ、17通の返事が返って来ました。その手紙を受け取った遺族を中心に韓国では遺族会が結成され、93
年から毎年現地で追悼集会が行われています。2013年には日本人・朝鮮人犠牲者全員の名前を刻んだ追悼碑も完成しました。
追悼碑前で行われた今年の「長生炭鉱水没事故74周年追悼式」へは韓国仏教宗団協議会から約50名の僧侶が来日、遺族会からも孫の世代も含め総勢15名の遺族が参加して盛大に行われました。そして今、刻む会は74年間海底に放置されてきた遺骨を故郷へ帰す「遺骨返還」という大きな課題に一歩踏み出しています。
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キムチ&韓国料理&李煕子(イ・ヒジャ)さんのお話し会
関西へ李煕子(イ・ヒジャ)さんを迎え“料理教室&ヒジャさんのお話”会をします。
裁判の関係で東京へは来られていますが、関西でお会いできるのは久しぶりです。「慰安婦」問題をめぐる日韓政府の合意、裁判のこと、直接お話を聞き日韓市民の交流をしていきたいと思います。もちろん、美味しい料理を囲んで楽しく。
4月30日(土)10時〜15時
ドーンセンター 調理室 (地下鉄・京阪「天満橋」駅徒歩5分)
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読書案内
DNA鑑定は万能か −その可能性と限界に迫る−
赤根敦 著 化学同人 1600円+税
遺骨を家族のもとに帰すためにはDNA鑑定を今すぐ実施しなければならない。ところが、厚労省はDNA鑑定の精度を過度に低く見積もり,鑑定の対象を狭める高いハードルを築いている。本書は、私たちの要求の科学的な裏づけを得るうえで役に立つ。関西医大教授の著者は法医学の研究者であるとともに、長年にわたり実際のDNA鑑定に携わっており、著しく進歩したDNA分析の原理と具体的な鑑定法を解説している。
DNA鑑定法の可能性と限界は変遷している。かつて、1990年の足利事件でDNA鑑定の結果、菅家さんが逮捕された。しかし、これが誤判定による冤罪であったことが2009年のDNA再鑑定により明らかになった。著者はこの事件に触れ、「DNA鑑定はその後も改良が続けられ、今日では正確性がきわめて高くなっています」と、20年の間に格段に鑑定能力が向上したと述べる。本書のタイトルから受ける印象とは異なり、限界をわきまえつつも、その高い可能性を強調する内容になっている。本書では、一般の読者の理解を助けるためにDNAのイロハから説明してあるほか、ニコライ二世一家の遺骨のDNA鑑定など興味深い実例も多数紹介されている。私たちの取り組みに確信を与えてくれる一冊だ。(塚本)
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GUNGUNインフォメーション
2月26日(金) 「強制労働問題は終わっていない!今こそ解決を」集会
18:30〜 港区勤労福祉会館第一洋室(参加費1000円) パネリスト:張完翼さん(大韓弁協)
李國彦さん(挺身隊ハルモニと共にする市民の会代表) 五味洋治さん(東京新聞編集委員)
3月 1日(火) 中国人強制連行国賠訴訟第2回口頭弁論 11:00〜(抽選10:45まで) 大阪地裁(大法廷) 終了後弁護士会館で報告集会 3月
5日(土)
第9回強制動員真相究明全国研究集会 「朝鮮人強制労働と世界遺産問題」 13:30〜 愛知労働会館東館 特別報告@「朝鮮女子勤労挺身隊調査を通じて『解決済み論』の誤りを糺す」
小出裕さん(名古屋三菱・女子勤労挺身隊訴訟を支援する会) 特別報告A「地方儒生の日記から見た強制動員の実態」
金敏浮ウん(韓国民族問題研究所責任研究員)
6日(日) 午前8時50分〜フィールドワーク 集合:JR名古屋駅新幹線口
3月16日(水) ノー!ハプサ第7回口頭弁論 13:30〜 東京地裁103号法廷
15:00 裁判報告集会、15:40国会院内DNA学習会(参議院会館)
4月15日(金) ヤスクニキャンドル行動第一回事前学習会 18:30〜 韓国YMCA
「戦争法発動と自衛隊員に迫る『戦地派遣』の危機」 講師:布施祐仁さん(ジャーナリスト・「経済的徴兵制」著者)
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