在韓軍人軍属裁判を支援する会ニュースレター 「未来への架け橋」 NO.56 (2009.12.5発行) |
韓国ソウルでの判決報告集会 |
「逃げに逃げた」東京高裁判決 |
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東京高裁の不当判決を糾弾する!
判決は、日韓請求権協定の適用範囲について、悪しき一審判決に加え、日韓協定が言う「完全かつ最終的に解決された」の一言をもって「控訴人らの合祀関係の請求が日韓請求権協定等の対象外になるものではない」という考え方を示している。当然、BC級戦犯問題や戦後行われたシベリア抑留についても日韓請求権協定で解決済、「詐術、欺罔行為、圧力等」については証拠がないと決め付け失当とした。
靖国合祀問題については「ひどい」の一言につきる。韓国人原告らに対する深刻な人格権・人権侵害について一切検討せず、「その余の点について判断するまでもなく」と切り捨てたのである。その理由は、国・靖国神社一体の合祀ではなく、政教分離違反でもないから、というのである。本末転倒である。国が大規模に長期間関わることによって、また外国人の個人情報を勝手に通知したから起きた深刻な人権侵害があるからこそ、その救済が求められているのである。 | ||||||||||||||||||||||||||||
GUNGUN裁判控訴審判決行動記(古川)
李熙子さんは絶句して言葉がしばらく出てこなかったが、「97年に合祀を知ってから、どうやって責任を問えばよいのかを考え続けていた。死亡の事実も知らせずに、遺族に無断で合祀した。2006年の一審判決に比べ、今回の判決ほど失望したことはなかった。表現できないほど失望が大きい」と語った。また他の来日者も「今回、鳩山政権になり期待していたが、判決を見て胸が痛む。どこに希望があるのだろうか」(洪英淑さん)「日本の司法が多くの証拠に目を背けてしまった。残念だ。一審の内容から何ら変わっていないことに失望している。」(金敏浮ウん)と、政権交代後出される判決への期待感が高かっただけに大きく失望したことを語った。
10月30日
シベリア抑留生存者の李炳柱さんと李在燮さんは、全抑協(全国抑留者補償協議会)拡大全国理事会・立法推進会議拡大世話人会に参加。全抑協では現在、「戦後強制抑留者に係る問題に関する特別措置法」の立法化を目指して活動中だ。前日の判決報告集会の場で「日本人以外にも道を開く法案として準備中」と聞いた二人にとって、立法化の動きの情報は何にも替えがたい展望である。会議では高齢を押して全国からかけつけた抑留被害者から「日本人以上に韓国の被害者は苦労しているので何とかしたい」と激励を受けた。
一方この日、他の原告たちは靖国神社に赴いた。事前に大口昭彦弁護士から靖国神社側に、「たしかに貴神社とは既に裁判関係になってはおりますが、ことは故人となった父祖の慰霊・追慕という極めて厳粛な、人道的・宗教的な問題に関連しているのでありまして、法律が軸となる裁判というものが解決の手段として果たして最適かどうかは大いに疑問もあるところであります。」と、静かな雰囲気の中での意見交換を申し入れていた。そして代表5人が神社社務所の応接室で権宮司と会談した。
31日、大阪に移動して臨んだ判決報告集会で李熙子さんはこう発言した。
箕面から参加した「靖国合祀イヤです訴訟」原告の古川佳子さんは、映画「あんにょん・サヨナラ」に出てくる2005年、靖国神社への申し入れの時のことを「靖国に行ったときに韓国人にとっては未だに植民地支配を受けていることなんだということを感じた」と振り返り、「ヒジャさんと私が同じ土俵で闘うことを考えると身がすくむくらいの思いだった。韓国人は終戦後は外国人だと切り捨てられているのに靖国神社には合祀されている。日本人は侵略戦争に加担したわけで、ヒジャさんと同じところで闘うなんて恥ずかしくてできないと思っていた」と、日本人遺族として靖国に合祀取り消しを求めて闘うことの重要性と意義を語った。発言後、古川さんからヒジャさんにプレゼントが渡された。反戦歌人の深山(みやま)あきさんの歌集の韓国語訳本
『平和のための祈り』である。深山さんは、「心裂き 身を裂きたりな傲然と 性辱めは天皇の軍隊」「天皇の 命に送られ果てたりき 髑髏の兵の慟哭を聴け」など、朝鮮人戦争被害者や従軍慰安婦への思いと、痛烈な天皇批判を多くの歌にしている。手渡す際、古川さん、ヒジャさんはがっちり握手をした。未来に向けた日韓遺族の今後の靖国への闘いを象徴するようなシーンだった。 |
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ノー!ハプサ第12回口頭弁論報告(山本) |
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今年で第9回となるボランティアツアー。毎年秋に春川にある納骨堂で、草刈り清掃をし、日韓合同慰霊祭を行ってきた。今回のツアーは、春川に入る前にソウルでグングン裁判控訴審判決の報告集会から始まった。日本からの参加者は、大口昭彦、殷勇基両弁護士と支援する会の関東、関西から計11人。 |
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『シベリア抑留−未完の悲劇』
栗原俊雄 著 |
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GUNGUNとノー!ハプサに寄付をいただきました |
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GUNGUNインフォメーション |