在韓軍人軍属裁判を支援する会ニュースレター 「未来への架け橋」 NO.54 (2009.7.17発行) |
ソウルで開かれたGUNGUN裁判 |
遺骨は靖国の虚像を語る |
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私たちは、公正判決を求めます!
まず、7月24-25日、東京ではノー!ハプサ(合祀)が主催する「政教分離全国集会」が開かれ、同日、関西・神戸では日本の「真相究明ネットワーク全国研究集会」が開催されます。いずれも今の日本にとって重要な集会です。前者は、靖国合祀裁判と北海道で勝利判決を勝ち取った政教分離訴訟が一同に会する取組みであり、後者は、この間進めてきた遺骨返還などの前進を踏まえての集まりです。両者ともグングン裁判にとって重要な意義を持つ取組みです。
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運動の意義と課題を共有した原告集会・訪韓報告(古川)
8時半に崔さんの車で春川を目指す。自動車専用道路を快適に飛ばし、10時半には春川の納骨堂に到着。納骨堂の扉から中をのぞくと2005年の草刈りボランティアの際に馬耳山のお坊さんと積み上げた塔が崩れていてビックリ。その後洪ヨンスク会長たちが到着。みんなでまず納骨堂で供養して、その後金景錫さんのお墓にお参りした。遺族会事務所には原告の呂ミョンファンさん、宋ランソクさん、李ナクチンさんが来てくれていた。3人の原告そして洪会長以下役員を前に、GUNGUN裁判の状況を報告し質疑交流した。
その後ソウルに戻って、原告集会の打ち合わせを行った。これまでの裁判経過がわかりやすいようにとパワーポイントで準備していた。報告集もいつもながら準備が短時間だったにも関わらず立派な分厚いものが製本されていた。この原告集会にかける李熙子さんの思いが伝わってきた。
西大門にある東アジア歴史財団の会議室が原告集会の会場。ソウル駅から伸びる国鉄の線路の脇に立つ立派な高層ビルだった。早く着いたので待っていると、続々と懐かしい顔ぶれが。まず金ヘンジンさん。続いて女性陣。高齢の崔ウルチュルさんも。そしてシベリア朔風会のメンバーが続々と入室。2001年の提訴から8年たつので、それぞれ年はとったがお元気そうで何より。
この会議室に李炳柱会長が入ってきて、歓喜の握手!その後集会を再開。李炳柱さんがマイクを握り、「麻生太郎のような朝鮮人を差別した人が総理になっている。今度の日本の選挙で民主党が勝ち、政権交代を望む」と発言された。その後私から提訴したころの苦労話に触れながら、遺骨問題の課題について提起し、山本さん(ノーハプサ事務局長)が靖国訴訟、御園生さんがシベリア抑留での日本政府の対応批判と日韓での公正判決要請ハガキ運動について報告した。会場の時間の関係で、ここで集会が終わってしまい、私は飛行機の時間があり、ここで会場を後にした。
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ノー!ハプサ第11回口頭弁論報告(山本)
7月3日、午前11時から東京地裁でノー!ハプサ訴訟の第11回口頭弁論が行われました。原告側は被告国の「1965年の日韓請求権協定ですべて解決済み」との準備書面3に対する反論を原告準備書面18として提出しました。原告代理人を代表して大口昭彦弁護士が趣旨を説明。「日本政府はかつては国会や法廷において、日韓請求権協定第2条3項は外交保護権放棄にすぎず、個人の請求権まで消滅させたものではないと公式に説明していた。しかし、近年は請求権そのものが放棄されたと主張を変更している」と批判。「靖国神社の合祀を取り消してほしいという魂の解放の問題まで請求権協定で消滅させることはできない」と被告国を追及しました。
また、被告国・靖国神社が新編靖国神社問題資料集所収の資料の都合の良い部分だけを取り出して、「合祀は靖国がやっている」「一般的な行政サービス」と言い逃れをしていることについて、今回は国の第4準備書面に対する反論を準備書面19として提出(一部訂正箇所があるため、後日再提出となった)。原告代理人を代表して浅野史生弁護士が趣旨を説明。特に国の方法が、「極一部の資料の存在を以て、全体の性格規定を行うというものであり、100%完全に白髪であるというのではないが、圧倒的に白髪である人に、たまたま1〜2本黒い毛があったことを以て、その人の頭は黒い、というようなものである」分かりやすい事例をあげて追及しました。次回以降には靖国側の新資料集の評価に対する批判へ進む予定です。 |
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「靖国合祀イヤです訴訟」控訴審始まる(古川)
「ノーハプサ!10号を読んで、裁判の途中で悲痛のうちに急逝された林西云さんを悼む雅基さんの記事。李熙子さんのヤスクニのタテマエが根こそぎ引っ剥がされるような意見陳述。靖国神社への求釈明。キムチづくり。GUNGUN結審。弁護団の訪韓調査、若い井堀弁護士の率直さ。辻子さんの「イヤです・・」報告など。全部読んで胸にじんじん響くものがありました。日本人相手ではない、韓国の人を相手に極限に立たされた司法は、靖国は、日本国は、どのように応えるのでしょうか。このように今も植民地支配を続けている奴らに、私ももっともっと怒らなければいけないのだと思います。イ・ヒジャさんは日本へ90回もおいでになっているのですね。雅基さんたち多くの支援があってこそと、私も感謝の思いで一杯です。私も動ける間はガンバリます。ヒジャさんの「恨」と「怒り」の前に、私は身が竦みます。日本人であることの恥ずかしさ、申し訳なさに。」と。いつもご自身の自己紹介で、李熙子さんの思いに接して「イヤです訴訟」に立ち上がったと言われる古川佳子さんの気持ちが伝わって、ジーンときました。
この日は、原告側から準備書面を提出。第1章で「判決はここがおかしい」と印象付け、第2で4つの点で判決を具体的に批判。中でも印象的だったのは、「靖国神社合祀は控訴人らにとって名指しの「呪い」に他ならない」と主張した点。加島弁護士から「靖国合祀がイヤな人にとっては五寸釘を打たれて呪われているのと同じ。呪われているのを知ったからには原因の除去を要求するのは当然のこと」「一審では言えなかったことを盛り込んだ」と説明を受け、わかりやすい主張に拍手を送りました。 |
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2009夏 東アジアからヤスクニを見る
2006年を出発点とした「平和の灯を!ヤスクニの闇へ」キャンドル行動は、今年は8月7日(金)日本弁護士会館、8日(土)上野水上音楽堂を中心に行われます。 |
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『これに増す悲しきことの何かあらん』
田中伸尚 著
七つ森書館 1800円+税 |
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GUNGUNインフォメーション |