在韓軍人軍属裁判を支援する会ニュースレター 「未来への架け橋」 NO.46 (2007.10.20発行) |
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遺骨放置の真実から目をそらす装置が「靖国神社」 |
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控訴審第1回口頭弁論報告
9月25日、GUNGUN裁判控訴審の第1回口頭弁論が東京高裁101号法廷で開かれました。当日2時間前になって法廷が大法廷に変更になったことが知らされ、「もしや靖国応援団が動員?」と思いましたが、単なる変更だったようです。しかし大法廷にどれくらい人が集まるか不安だったところ、40人くらいの傍聴者があり、何とか緊張感のある空間は作れました。傍聴には同進会会長の李鶴来(イ・ハンネ)さんの顔も。
続いて高仁衡さんが意見陳述を行いました。陳述では、「1948年に済州島で起こった4・3事件後、母と2人の兄を亡くし、1人残された私は孤児のように育ちました。生きていくため手当たり次第にどんな仕事でもするしかありませんでした。そのため学校もろくに通うことができませんでした」と戦争によって切り裂かれた家族の絆を語り、「子として、生きている間に父の死について真相を明らかにするための活動を始めました。父が歩兵78連隊に勤務して1944年9月3日に東部ニューギニアで戦病死したこと」「中でも目を疑ったことは父が靖国神社に合祀されているという事実です」と靖国合祀の文字を見た瞬間の衝撃を語りました。そして「私の父の体は今も東部ニューギニアのどこかに捨てられたまま腐り果てて長い歳月のうちに散らばってしまっています。こうして強制的に引っ張られた人を長い間放ったまま何の対策も立てず、関心も傾けないでいる日本政府と靖国神社の悪行を許すことができない」と遺骨調査と靖国合祀絶止への思いを訴えました。
弁論後の報告集会は、約30名が参加し弁護士会館で行われました。大口弁護士からの報告、高仁衡さんからの訴え、大阪での取り組みと遺骨(遺体)調査への決意(古川)の後、午前中に東京地裁で開かれていた「日韓会談文書全面公開請求訴訟」の報告を吉沢文寿さんが行いました。
第1回口頭弁論の翌日、ニューギニアから帰国した岩淵宣輝さんに関空から羽田まで飛んでいただき、高仁衡さんを交えて交流しました。 | ||||||||||||||||||||||||||||||
語り合おう!海をこえて 野ざらしの遺骨と「英霊」のギャップ (集会報告:小川)
グングン裁判第1回口頭弁論に先駆け、大阪で9月23日に原告の高仁衡(コ・インヒョン)さんと、ニューギニアのビアク島で約70体の遺骨を探された、横山邦彦さんを招いて集会を開催しました。
さてこの集会のもうひとつのセールスポイントは、子ども全交の子供たちによるチャンゴ、太鼓演奏でした。集会に参加してくれた子供たちに、横山さんの現地写真や、高仁衡さんの訴えはどのように伝わったでしょうか。少し恥ずかしげに、でも誇らしげに拍手を受けるあの子達に心から「ありがとう」を言います。カムサハムニダ! |
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靖国合祀取消を求めるノー!ハプサ訴訟・第一回口頭弁論
16時開始の口頭弁論の1時間以上前から傍聴抽選の列ができました。靖国側もかなり動員しているようで、最後は135番。抽選後も多くの仲間が詰めかけました。16時103大法廷で開廷。まず原告3名が意見陳述。トップバッターの尹玉重さんは「靖国神社の前では多くの日本人が『汚い朝鮮人は帰れ』といい門前払い。なぜ私の父がそこに祀られなければならないのか」と。続いて呂明煥さんは、「父の靖国神社合祀を思うとその悔しさは言葉では言い尽くせない。私のもう70歳一日も早く解決を」、最後に、李熙子さんは「私の父が軍国主義の神社に祀られていることが悔しくて不名誉でなりません。日本が仕掛けた戦争のせいで不幸な死をとげたのに、死に至らしめたところに50年も監禁されている」「靖国神社合祀が遺族に与える被害は何かと問えば、『恨』という心の病」と訴えました。
口頭弁論に先立つ院内集会では、国会が閉会中にもかかわらず、社民党党首の福島議員、民主党の金田誠一議員が参加。「靖国問題に全力で取り組んでいく」(福島議員)と決意表明いただきました。ほか白眞勳議員秘書、山内徳信議員秘書ら多くの秘書の方々の参加を代表して、靖国違憲訴訟・大阪で闘っていた服部さん(山内徳信議員秘書)から「これまでの経験を生かし、秘書としても頑張る」と挨拶いただきました。報告集会では、大阪の「合祀いやです訴訟」の菱木事務局長からは「A級戦犯こそが靖国神社にふさわしい」の発言。大阪、東京に続いて10月には沖縄で靖国相手の訴訟が始まります。合祀取消訴訟が広がってきています。また、ノーハプサ弁護団も拡充。小泉違憲訴訟をとりくんでこられた河村弁護士が「若い世代に靖国問題を伝えていきたい」とこの合祀取消訴訟に参加。また、韓国のイ・ソクテ弁護士をこの訴訟の補佐人として申請することが確認されました。
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軍都・館山市で「あんにょん・サヨナラ」上映
映画祭では遠いところをありがとうございました。感想がたくさん寄せられましたので、後日整理してお送りします。今後、農作業の手伝いで若い人たちが訪ねてきたときに、『あんにょん・サヨナラ』も見てもらい、平和について語りたいと思っています。
@館山海軍航空隊「赤山地下壕」(航空要塞的な機能を持った地下壕)前で小沢さんと |
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「あんにょん・サヨナラ」大東上映会のお知らせ |
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韓国のシベリア抑留被害者と60年ぶりの再会
戦後60年、いまだ未解決の「シベリア抑留」にこれで最後の幕を引こうと、政府はこのたび日本人生存者に10万円の旅行券を給付しましたが、乏しい黒パンを分け合って苦労を共にした外国籍兵は今回も対象から除外されました。我々にとってこの不公平は誠に心苦しく、例え半分の一人5万円だけでも分け合いたいと仲間に呼び掛け、取り敢えず9月13日にその一部を届けた次第でした。李炳柱(イ・ビョンジュ)会長をはじめ「韓国シベリア朔風会」の面々12名に迎えられましたが、意のあるところを汲み取って心からの歓迎でした。それぞれの戦後を生き延びた年輪が刻み込まれた顔が涙に濡れたのは辛い韓食のせいばかりではありませんでした。 |
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『遺骨の戦後ー朝鮮人強制動員と日本』
内海愛子・上杉聰・福留範昭 著 |
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GUNGUNインフォメーション |