在韓軍人軍属裁判を支援する会ニュースレター 「未来への架け橋」 NO.21 (2003.8.24発行) |
日帝強制連行被害者が国籍放棄行動 |
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被害者にとって補償は待ったなし!
8月13日、韓国のGUNGUN裁判原告を含む「日帝強占下強制動員被害真相究明などに関する特別法制定推進委員会」300余名は、ソウル青瓦台の盧武鉉大統領を直接訪ね、「政府は被害者から目を背けている」と抗議し、韓国籍放棄の意思表示を行いました。
次回(第8回口頭弁論)は、9月11日(木)です。
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これ以上待てない 8月13日「国籍放棄」も辞さないと韓国政府に迫った
太平洋戦争韓国人犠牲者遺族会会長 金景錫さんからの報告
1945年8月15日から、もう早や58年が過ぎた。 |
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グングン裁判秋季闘争へ全力! 9月11日東京地裁へ(13:10)
7月31日、東京地裁民事第19部でグングン裁判の進行協議が行なわれました。 これは、第7回口頭弁論で裁判所から提起されたもの。協議では、年内に双方の主張を出すことが確認され、私たち原告側から立証計画を明らかにしました。二次提訴については、併合の方向が裁判所から示されました。また原告全員の証人尋問はできないので工夫してほしいとの提起もなされました。 裁判での争点は? 提訴以降、双方から準備書面や答弁書を提出。特に論争になっているのは、靖国合 祀、日韓請求権協定、国家無答責問題などです。
韓国人学者からの意見書も予定 さらに国を追い込もう!
今、私たちは靖国合祀問題で、韓国の宗教・民俗学者から「靖国合祀がいかに韓国の習俗に反するものであるか」の鑑定意見書提出を準備しています。また法律144号について「日本の国内法で外国人の権利を消滅させることはできない」ことを明らかにしていきます。国家無答責論では、7月22日東京高裁判決「現行憲法及び裁判所法の下においては『国家無答責の法理』に正当性ないし合理性を見出すことはできない」を踏まえた主張を行ない、安全配慮義務問題でも、さらに被害実態に即した主張を行なっていく予定です。また二次提訴の韓国人シベリア抑留者問題でも国際法上の問題など主張を展開します。
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東アジア反戦大会(ソウル)に 日本の敗戦記念日、韓国にとっては解放記念日である8月15日をはさむ14〜16日、韓国ソウルで、「東アジア反戦大会」が開催されました。ブッシュ・小泉による朝鮮半島の緊張激化政策の中、イラク反戦のスーパーパワーをこの東アジアでも実現しようと韓国諸団体の呼びかけで開催されました。 韓日の平和運動連帯の第一歩 〜 緊張激化の下で、戦後補償は実現しない
ソウル大学での大会は、韓国の演劇集団の「ヒロシマ・メッセージ」で始まりました。韓国人被爆者を描いた演劇で、国境を越えた被害の悲惨さを訴えたもの。戦後補償問題では韓国の学生らを前に、日本製鉄元徴用工裁判を支援する会から「拉致被害者も植民地被害者も国家による人権侵害の被害者。今問われるのは、日本政府に対する謝罪と補償を求める民衆の連帯運動です」と報告。太平洋戦争被害者補償推進協議 会からの「若い世代がイラクの被害者と同様に太平洋戦争の自国の被害者問題にも注目すべき」との訴えに拍手が送られました。 ソウルの学生街でパレード・コンサート
最終日は、梨花女子大などのある新村(シンチョン)でピース・パレードと、韓・ 日・沖縄を結ぶピース・コンサートが行なわれました。「チョンジェン(戦争)パンデ(反対)!」韓国語、日本語が響き渡る。月桃の花歌舞団のエイサーがひときわ目を引く。ビッグオブジェクトがパレードの先頭にたつ。沿道から拍手。繁華街の公園でピース・コンサートが始まる。沖縄からは海勢頭豊さんが特別出演。38度線に思いを馳せ作った実弾演習阻止の歌「キセンバル」や、元従軍慰安婦を歌った「トラジの花」がビルの合間に響き渡る。歌の間に韓日の若者のアピール、イラク、アメリカからの報告。韓日の若者が歌に合わせて一緒になって踊り、22時過ぎまでコンサートは続きました。 ソウル宣言を採択 〜 朝鮮有事を許さず、戦後補償の実現を! 最後に、3日間の大会を締めくくる「ソウル宣言」が韓・日の代表から読み上げられました。朝鮮半島の緊張激化政策に反対する9・27世界をむすぶピースウォークへの参加などが訴えられ、参加者全員の拍手で確認。そして、日韓共同の取り組みを継続していく実行委員会のメンバーが紹介されました。取り組みは継続されるのです。
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寄稿:池田幸一さん(カマキリの会)
6月13日、エルおおさかでの集会で、初めて韓国の戦友たち三人に会いましたが、忽ち心は通じ合い、彼らの勇気と不屈の気概に惚れ込みました。同じ黒パンを分け合って死の労役を共にした仲、ましてや日本国を相手に法廷で闘う者同志であってみれば、その思いはひとしおです。
近畿地区未払い賃金要求の会総会で連帯挨拶
7月13日、大阪で「近畿地区シベリア抑留者未払い賃金要求の会」の総会が開かれ、立法運動の推進や韓国シベリア朔風会との連帯など、今後の取り組み方針が議論されました。GUNGUN裁判を支援する会も招かれ、
二次提訴の報告と連帯挨拶をさせていただきました。(古川) |
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今年も「GUNGUN原告の証言を映像に残すツアー」を企画。生存者を中心に13名の方から聞き取りを行いました。 時間がないことを実感した原告との対話(大幸)
春川駅に到着し、タクシーで遺族会の事務所に行くと、元気な声の金景錫さんがおられま した。昨年足の手術をされたと聞いて心配していたのですが、おしゃべりの声は相変わらず大きくしっかりで、まずは安心。でも階段の昇り降りは誰かの肩を借りて、ゆっくりゆっくり。見るのはつらいものがありました。
柳興元さんからは、豆満江の厳冬の中で軍事物資を運搬する仕事をしていたという話を聞かせていただきました。華奢な体で、とっても小さな声で話されていたのですが、「日本政府に言いたいことは何ですか」と伺うと、ふところから封筒を出して1枚の用紙を見せてくださいました。厚生省から届いた「日本軍に所属していたという書類が見つからなかった」という通知。「日本政府には、誠意を持って補償をしてほしい。裁判をして訴えようとしているのに、こんな返事をよこされてはどうしようもない」
。無念な思いが伝わりました。何の謝罪もなく事務的な内容のみの通知ですましているこの対応こそ被害者の怒りをかっているのではないでしょうか。
21日には李熙子さんの故郷、江華島へ行きました。江華島が様々な歴史の舞台になってきたことを案内され説明を聞く中で始めて知りました。草芝鎮(チョジジン)。ここは外敵の侵入を阻止する江華島に数ある要塞の一つ。1875年日本軍艦「雲揚号」が禁を破って接近、草芝鎮に艦砲射撃をくわえた「江華島事件」から日朝不平等条約につながる事件のあった場所です。 |
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厚生労働省は6月23日、日本人の戦没者遺族6000人にDNA鑑定実施のお知らせを送付し、希望者の募集を始めました。これまで私たちの申し入れに対し、厚生労働省は「外国人の遺骨収集は外国政府で」と言う不誠実な態度をとり続けてきました。今回のDNA鑑定は、遺骨の特定手段が一般的に可能になった公表であり、今後の交渉につなげていけると考えています。「遺骨に時効や日韓請求権協定で解決済み」は通用しないのです。
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『韓国の若者を知りたい』 水野俊平 著 岩波ジュニア新書 780円+税 この本では、韓日の若者<高校生・大学生>を取材し、その共通点・相違点を明らかにし、理解を深め合うことをねらいとしている。受験、男女交際、年長者への態度、徴兵制等、生活・意識の違いは興味深い。昨今、日本のマスコミはファッション・マンガ等の流行を取り上げ、若者文化の同質性を強調し、過去の先入観なしの「新しいつきあい」を強調する。しかし、「日帝は嫌いだが、日製は好き」という声に見られるように、韓国の若者の多くは、反日感情は薄れてはいるが、決して肯定的にとらえているわけではない。「先入観なしに」というのは、日本人側のご都合主義で、韓国の若者は「韓国人の受けた痛み」を知った上でのつきあいを望んでいる。生活・文化の違いだけでなく過去の歴史を知ることも、本当のつきあいには不可欠なのだ。(大釜) |
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