在韓軍人軍属裁判を支援する会ニュースレター 「未来への架け橋」 NO.10 (2002.3.16発行) |
第1回口頭弁論4月26日に開催! GUNGUN裁判の第1回口頭弁論の期日が決定しました。4月26日(金)東京地裁103号法廷で開催されます。昨年6月29日提訴以来、教科書問題、靖国参拝問題の中で歴史認識が大きくクローズアップされ、このGUNGUN裁判も注目を浴びてきました。
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252名全員の訴訟救助決定! さあ4月26日第1回口頭弁論へ! 生きた教科書のページが開かれる 昨年6月29日提訴(東京地裁民事19部、平成13年(ワ)第13581号で受理、事件名「合祀絶止・遺骨返還・損害賠償等請求事件」)してから、8ヶ月あまり。この間GUNGUN裁判の最大の問題は、「訴訟救助」をどうしても勝ち取らなければならなかったことです。 |
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国家のために「死」を利用しようとする事への「公憤」 報告/中谷康子さん交流学習会(2・17大阪) 穏やかに微笑むようにして語る中谷さん。そんな人が、30年も合祀拒否で闘い続けたのは中谷さんの言われたように「私憤」からではない。私達の人間としての基本的な権利を守るため。個人の人格権を踏みにじって、国家のために「死」を利用しようとする事への「公憤」であると感じました。信教の自由を侵害してまで合祀取り下げに応じないのは、靖国神社を自衛隊の精神的支柱とする危険なもくろみ以外のなにものでもない。 GUNGUN裁判での合祀取り下げ要求が、自衛官の死を「国のため」だと意味づける危険な動きをとどめることになると、中谷さんの優しい顔を見つめながら考えました。(小川) 中谷康子さんのお話(要旨) ◆自分の身の丈ほどの幸せとして結婚相手を・・・それがたまたま自衛官だった。敗戦から夫が死ぬまで25年。家族の幸せだけを考えて社会のことは何も考えてこなかった。夫の死後、息子を連れて夫の実家をでたのは、地に足をつけて教会で外のことを学びながら生活したいと思ったから。侵略のこと、人権のこと、権力のこと、岡部さんの冤罪事件・・・いろんなことが段々わかってきた。 |
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金景錫さんの意見陳述が圧巻! 小泉靖国参拝違憲アジア訴訟 第1回口頭弁論開かれる (アジア訴訟団事務局長 菱木政晴) 急きょ傍聴券の抽選 2月22日、午後1時半の開廷にもかかわらず、神経質になった裁判所のほうから、正午から整理券の配布、傍聴券抽選という知らせが前々日に入った。法廷では、訴状の陳述と3人の原告の意見陳述を予定していたのだが、原告席にはいれたのは代理人(弁護団)とこの3人の原告だけ、他の原告は40名分を確保できたが、あとは抽選。正午前から地裁玄関前には、右翼風の連中が30人くらいたむろし、傍聴席を原告と支援者が確保できたのは合計55席くらい。このような事情で入廷できなかった原告も多かった。裁判所によると「異なる意見をもつものが多数集まって混乱を生じることのないような措置をとった。ご協力いただいて感謝する」とのこと。しかし、原告は当事者である。靖国や遺族関係で動員された連中といっしょにされては困る。
訴状の陳述に先立って、原告側から被告四者(国、内閣総理大臣、小泉、靖国神社)のそれぞれの代理人に自己紹介を要求した。誰が誰の代理人かわからなくては意見陳述する原告も気合が入らない。自己紹介させたかいあって、金景錫さんが陳述の最後の部分で、靖国の代理人に向かって「靖国はいったいどのような権限があって私たちの肉親を死んでまで強制連行しつづけるのか」と叫んだ。これは本当に迫力があった。
訴状に対しては、国と靖国から答弁書が出ているが、いずれも本件は「私的参拝だ」と主張している。訴状に対する「求釈明」(訴状の意味がわからんぞ、説明しなおせというイチャモン)も同じことを言っている。われわれが訴状に「本件公式参拝」という表現をしていることに対して、「わしらは私的参拝のつもりや、あんたらのいう『公式参拝』の定義をしてくれ」というものである。しかしこの訴訟の争点は、小泉が8月13日に行なった参拝が、憲法20条3項の禁止する「国の機関の宗教活動」なのかどうかである。公用車を使い、内閣総理大臣と記帳し、事前からいやというほど宣伝・公言したこの参拝を、内閣総理大臣(公務員)としての参拝でない純粋な個人的行為(自然人・小泉の宗教的プライバシー権に属する行為)だといえるだろうか。自然人小泉が本当に自分の信教の自由を守ろうとしたら、ひとりこっそりとまたは人ごみにまぎれて誰であるかわからないようにして参拝するべきなのである。しかし、かれは実際にこんなことはするはずがないし、第一それでは、「首相の参拝」を求めた勢力に顔向けができないだろう。われわれに「公式参拝」の定義をしてくれとはお門違いも甚だしい。
金景錫さん意見陳述(要旨) 日本人と同じ条件下で死んだにもかかわらず、日本人兵士は日本の法律で保護されている反面、植民地出身の犠牲者たちは、生死確認すらなされず放置されているのです。これは言うまでもなく「差別」そのものです。
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交流深めた2・24コリア・ジャパン 草の根交流カップサッカー(大阪) 昨年11月の春川納骨堂清掃ボランティアツアーの際に行なった親善サッカー大会の第2弾を、大阪で開催しました。対戦相手の「大阪府アボジサッカー連盟チーム」は、府下の朝鮮学校10校のアボジサッカーチーム代表からなる強豪。「グングン行こうぜチーム」は中高大学生の若者の参加でパワーアップしましたが、昨秋の親善試合に比べ健闘したものの、3対4で惜しくも敗れました。今回は、小泉靖国違憲アジア訴訟の第1回口頭弁論で来阪中の金景錫さん(太平洋戦争韓国人犠牲者遺族会会長)をお招きし、「在日同胞と会えてうれしい。戦後補償問題の解決まで闘い続ける」とアピールしていただきました。試合の後は車座になっての交流会。アボジチームからは、朝鮮学校が学校として認められず、民族教育が保障されていない実態も訴えられました。お互いに顔が見え、お互いを理解する場として今後もこんな催しを続けていきたいと思います。(塚本) 「草の根サッカー交流試合」にお招きいただき誠にありがとうございました。日朝・日韓の親善に少しでも役立てばと思いながらも、白熱した(?)試合内容で楽しいひと時を過ごせたことを非常に嬉しく思います。このような交流の場を通してお互いの理解が深まる事を心から願っています。
歴史をたどれば日本と朝鮮・韓国は文化的交流が盛んでしたが、20世紀初頭の「暗黒の時期」の清算とその歴史的教訓をつかめないまま現在にいたっている事は許すことができず、又残念でなりません。しかし日本には《在韓軍人軍属裁判を支援する会》のみなさんのように物事の本質を見つめ、良心を持って取り組まれる見識高い方もたくさんいらっしゃいます。双方が認め合い譲り合えば争いが起こるわけが無く、そしてそれが自分自身の向上につながる事だと信じています。自己の一方的な見解だけを述べるのではなく、お互いひざを交えて尊重しあいながら意見交換ができるこのような素晴らしい交流の場を心から大切にしていきたいと思います。又の開催を心待ちにしています。 |
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GUNGUN原告を知ってねコーナー
祖父が「太平丸」沈没事件で憤死。日本政府は船の引揚と遺骨返還を! 祖父の朴炳勲(パク・ビョンフン)は1923年12月21日、江原道チョンソン郡イムケ面コヤン里234−2番地で父、朴ウォンゴと母、ペク・シサの四男として生まれました。1942年、強制徴兵を受け北海道の千島列島海上で発生した「太平丸」沈没事件で船が爆破され水葬されたという消息を聞きました。死亡通知は解放と同時に故郷の家に伝達され、保証人の証言で確認しました。日本の強制徴用で私たちは祖父を失い、祖父が憤死したことをどうやって補償するつもりですか。日本は当然、補償と賠償をしなければなりません。 前号ニュースの主張で取上げた「遺骨のDNA鑑定を厚生労働省が決定」に対して問い合わせが数件ありました(1月18日神戸新聞が報道)。DNA鑑定が実現すれば、遺骨返還が重要な要求になっているGUNGUN裁判でも大きな意味を持ちます。ここで紹介した「太平丸」は日本人、朝鮮人(南北)が一緒に沈んでいますが、DNA鑑定によってその遺骨を判別することが可能ということで、日本政府に引き揚げを要求する大きな材料になります。伊藤孝司さんのルポによれば、太平丸は北千島に向かった1944年7月9日米軍の魚雷により沈没。総乗船者2010人(朝鮮人約1000人)中死亡者956人(朝鮮人655人)。 |
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読書案内 日韓キックオフ伝説 集英社文庫 大島裕史著 686円+税
なぜ韓国はサッカーが強いのか? なぜサッカーだけは日本に負けたくないと思っているのか? それを本当に理解するためには、日本の植民地支配にさかのぼって朝鮮・韓国のサッカーの歩みをみなければなりません。また、サッカーの歴史を通して、日本が朝鮮に対して何をしたのかがよく見えてくると言ってもいいでしょう。著者は、韓国の延世大学で韓国語を学び、現在フリージャーナリストで、昨年12月日鉄裁判支援する会の「日韓サッカー談義パートU」で講演されました。交流サッカーのための必読書! |
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GUNGUNインフォメーション 3月26日(火)「近くて親しい国」へ!日韓友好コンサートーコッタジとともに 18:30開演 労働スクエア東京ホール(地下鉄「八丁堀」すぐ) 3月28日(木)VIDEO ACT企画「ニッポン・戦争・私 2002」(グングン靖国合祀) 18:30 中野ゼロ視聴覚ホール(JR中野駅徒歩8分) 4月10日(水)おかしい人発言訴訟第1回口頭弁論 13:15大阪地裁202号 4月26日(金)GUNGUN第1回口頭弁論 14:30 東京地裁103号 報告集会(東京)26日18:30港区勤労福祉会館 報告集会(大阪)27日18:30エル大阪 4月26日(金)小泉靖国参拝違憲訴訟第2回口頭弁論 11:00大阪地裁202号 |