2025年9月19日

朝鮮人戦没者遺骨に関する厚労省交渉(古川)


 
  厚労省担当者へ要請書を手渡し

 山口県長生炭鉱での遺骨発見と厚労省の頑なな姿勢が話題になる中、2014年から始まった朝鮮人戦没者遺骨に関する厚労省交渉も11年目。これまでの厚労省は韓国人のDNA鑑定ができない理由を「日本人の鑑定が十分に進んでいない」からと言い続けてきました。6月17日のガマフヤーとの意見交換会では、日本人遺族のDNA 鑑定は一定進み(必要鑑定数6000件に対して5000件実施)、韓国政府との条件の調整が必要との回答でした。もはや韓国人を阻む理由はないはず。また祐天寺に仮安置されている「浮島丸事件犠牲者」を含む700体の軍人軍属遺骨のふるさと韓国・共和国への即時返還も要請しようと、この日を迎えた。

 この日の交渉で、厚労省側は日本人の鑑定についてはメドがついたことを明らかにした。ところが、「韓国人遺族の鑑定参加を進めるのか」と尋ねると、「身元を特定した後の返還のあり方を外交交渉の中で解決する必要がある。その上で鑑定について考えなければならない」と別の理由を持ち出した。「返還のあり方とは何か」と追及しましたが「外交交渉なので明かせない」に終始した。会場からは「本当に交渉しているのか」と批判の声が飛んだ。
 金英丸(キムヨンファン)さんは「朝鮮の人はアジア太平洋地域に何のために行ったのか。日本政府が戦争のために連れて行ったのではないのか。厚労省は遺骨返還の責任を感じているのか」と批判した。また竹内康人さんは、「戦時下の旧厚生省に動員部が置かれ、朝鮮人動員を担った。国家総動員法の時代、厚生省は労務動員のセンターだった。労使一体の産業報国会をつくり労働を強いたのも厚生省。あなたたちには遺骨を返還する歴史的責任がある」と訴え、厚労省の積極的な回答を迫ったが、上記を繰り返すのみだった。
 
  厚労省交渉の様子
 それでもこの日、下記のことが明らかになった。

・沖縄での米兵遺骨の返還の根拠は安定同位体比検査。
・日米の識別では同位体比を使用する根拠があるが、日韓での識別ではまだ研究段階。
 安定同位体比については研究成果を踏まえて令和8年度末に方針を出す。
・タラワの遺骨返還は日米の覚書と米韓の覚書に基づいて行ったもの。
・祐天寺の浮島丸遺骨納骨堂の鍵は遺族立ち合いで希望があれば開錠を検討する。

 タラワの遺骨もすべての遺骨鑑定が待たれるほか、ペリリュー島で1086人の集団埋葬地が特定2025.5朝日)、アッツ島80メートル海底で琴平丸など日米の沈没船を確認2024.9読売)など、新たな大規模な遺骨発見に関する報道が続いている。