2017年12月5、15日

沖縄戦住民遺族のDNA鑑定前進のために国会議員要請行動
  &遺族からのDNA鑑定希望者名簿158名分を厚労省に提出
(古川)



 
 
国会前で具志堅さんと  
 12月5日、ガマフヤーの具志堅隆松さんと国会議員への要請行動を行いました。衆議院5人、参議院14人に対して、沖縄戦発掘遺骨の鑑定方法や住民のDNA鑑定参加についての状況について問題点を説明し、厚労委員会等で議論してもらう要請を行いました。
 現在、沖縄・魂魄の塔をはじめ、地域の慰霊塔の中に数多く(600を超える)遺骨が眠ったままで、DNA鑑定を通じて希望する家族の元へ返すことができる可能性があります。厚労省は手足の四肢骨をDNA鑑定の対象とする表明はしましたが、一方で片方の骨だけでは対象にしないなどのハードルを設けています。私たちも全ての骨片まで鑑定しろとは言いませんが、遺族にとって1本でも「父」「兄」「祖父」なのです。この日は、遺族に納得のいく基準を設ける必要があることを中心に国会議員への働きかけを行い、3人の議員本人や秘書と長時間意見交流することができました。白眞勲議員からは「遺骨は必ず委員会で議論したい。600体が目の前にあってなぜやらないのか、しつこく追及するので待っていてほしい」と今後も遺骨問題の追及を約束いただきました。
   
白眞勲議員と 秋野議員と
 12月15日、ガマフヤー(具志堅隆松代表)は、高木美智代厚生労働副大臣に対して直接23名(7月12日に提出した135名分の追加分)の沖縄戦住民遺族からのDNA鑑定要求名簿を提出しました。厚労省はこれまで発掘した遺骨とDNA鑑定する対象として、「戦死した記録のある遺族」に限定するというハードルを設けていました。「誰がどこで死んだかわからない」沖縄戦の実相からも不当なものです。私たちは根拠のない戦死場所にこだわる厚労省に対して「すべての希望する遺族との照合」を要求します。
 一方、遺骨の判別方法として、「安定同位体」による鑑定が有効であることが判明してきました。「安定同位体鑑定」とは、遺骨の炭素、ストロンチウムなどの元素(同位体)を調べれば、幼少期に摂取した水などによって、出身地がかなりの高確率で特定できるという性質を利用して、フィリピン現地人骨混入事件での遺骨判定で使用されている鑑定です。これを利用すれば、「沖縄出身者」や「朝鮮半島出身者」が判別できることになります。個人まで特定できなくても、すべて千鳥ヶ淵に納骨されてきた状況を変える展望があります。
 来年2月頃には国会内集会を開催する予定です。当面、沖縄で先行例を作る努力をし、その後いよいよ韓国人遺族の声に応えるため、日韓両政府を突き動かすための運動を展開したいと考えています。引き続きご支援ください。