2017年6月23日
ガマフヤーとともに沖縄戦遺骨DNA鑑定への 6・23慰霊の日、摩文仁と魂魄の塔で遺族へ呼びかけ
ハードルを上げる厚労省に対し、県民の声を反映させるための集団申請 数か月前の3月31日、厚労省は75の歯のある遺骨を、300名の軍人遺族の鑑定をしたが該当者ゼロの結果だったと発表した。ガマフヤーは「3・31厚労省発表 沖縄戦遺骨「身元特定無し」の結果をうけて改善要請の声明」を衆参厚労委員全員に配布した。厚労省が行ったDNA鑑定の遺族への呼びかけに関して、「鑑定呼びかけが軍人遺族にとどまり沖縄一般県民への呼びかけが行われなかった。厚労省は沖縄県の責任にするが、この事業は「国の責務」で行われる事業であること考えれば、国の責任は重大である。・・厚労省は、不確かな戦死記録に固執せず、沖縄戦の戦死者全体と遺族全体を照合するやり方に方針変更すべきだ。今回の「身元確認ゼロ」の結果を見るならば、遺族への呼びかけのやり方の根本的見直しが必要であり、それが鑑定への参加を望む遺族の願いである」という内容だ。 4月20日参議院厚労委員会で、川田龍平議員の遺骨問題での質疑が行われた。鑑定する遺族が少なすぎるという指摘に対し、塩崎厚労大臣は「今年度は・・広報を広く通じて呼びかけるということでご遺族の側からのDNA鑑定の申請を募る」ことを表明した。これは画期的であるが、同時に厚労省官僚は死亡場所確認の必要性を委員会で示唆するなど、いくらでもハードルを上げることができるものであった。もはや遺族に時間はなく、厚労省との力関係を変える必要があった。「6・22戦没者遺骨を家族の元へ6・22沖縄集会」の開催と、遺族のDNA鑑定集団申請の呼びかけを行うことによって、論争の場所を国会から沖縄現地に移した。 5月19日琉球新報は1面トップ記事で「沖縄戦戦没者遺骨、民間人DNA鑑定も申請。ガマフヤー集団で初、7月にも」と伝えた。この日から状況は大きく変わった。NHKが集団申請の取り組みを全国放送し、本土の全国紙も集団申請に参加する遺族の声を取り上げるようになる。6月23日には朝日新聞が社説で沖縄戦遺骨のDNA鑑定について取り上げた。集団申請希望者は7月2日現在100名になった。各新聞社は1人1人の思いを体験から詳しく報道するようになった。「11人の家族の内9人を失った。だれの遺骨も見つかっていない」という遺族のガマでの経験が証言される。遺族の皆さんが「最後の機会」としてこのDNA鑑定にかけていることが報道されている。遺族の集団申請参加の証言記事を読むと心も体も引き締まる。 朝鮮人軍属は行方不明のまま「行方不明の人こそDNA鑑定を!」 韓国人遺族の問題に話を移す。22日の朝、李煕子(イ・ヒジャ)さんと朝食をとりながら話していた。「張完翼(チャン・ワニク)弁護士は今回私が頼んできてもらった。DNA鑑定への韓国人参加について張完翼弁護士に強力で有効な方法を推進してもらう。韓国に帰り次第、沖縄の状況を話合い、新政権に対する要請方策を検討する」ということだ。今回の集団申請に韓国人遺族は参加しないが、それは日本人軍人遺族・沖縄県民遺族の鑑定参加の拡大が韓国人遺族の道を切り開くという中で、韓国新政権への要請が最も効果があると判断してのことである。22日集会では「日本政府が沖縄に動員された韓国人の死亡記録が無いため行方不明と規定し、鑑定対象外としていること」を厳しく批判した。厚労省の「日本人でも死亡記録のない人は鑑定対象ではないのだから差別はない」という無責任な主張は暴露され着実に批判を受けてきている。行方不明のまま放置してきた責任が問われているのだ。韓国の連合ニュースもこの集会を伝えた。
7・12集団申請予定者名簿を提出へ ガマフヤーは7月12日、DNA鑑定集団申請予定者名簿(第1次)と要請書の提出を参議院会館で行う。沖縄県選出国会議員や本土で応援いただいてきた国会議員も同席する。厚労省の遺族からの申請枠組みが、死亡地などの証明を求めたり、希望する遺族を選別排除したりすることが無い様に要請する。当日は100名を大きく超える集団申請予定者名簿を提出する。私たちグングン裁判を支援する会は、「戦没者遺骨を家族の元へ連絡会」としてガマフヤーを全力で支える所存だ。 最後に、いつもグングンニュースを編集してくれていた大釜さんが5月26日亡くなった。大釜さんはいいニュースができるといつもにっこりした顔で喜んでいた。このグングンニュースが大釜さんに届いて読んでもらっていることを信じている。 |