4月13日 省庁要請行動

 4月13日(金)、太平洋戦争韓国人犠牲者遺族会と太平洋戦争被害者補償推進協議会、同全羅南道協議会の6名の原告予定者、代表らとともに、遺骨返還、靖国神社合祀取り下げ、未払い金返還を求め、午前11時から厚生労働省、午後1時30分から法務省への要請行動を行った。

省庁要請−「体が震えて仕方がない!」

 厚生労働省に対しては、遺骨の返還、行方不明者の調査、未払金の返還、靖国神社への合祀の取り下げを、法務省に対しては、供託金の返還を求めた要請書を手交し、原告予定者らからの訴えを行った。両省とも「体が震えて仕方がない」(李熙子さん)という言葉に端的なように、被害者の要求にまったく応えるものではなかった。だが、被害者の直接の訴えは今後の交渉の検討課題を浮かび上がらせるものとなった。
 遺骨については、「8335体の遺骨は、戦後韓国側へ引き渡している。不明の1136体の遺骨は目黒区の祐天寺に保管している。人道的立場から返還されるべきと考え、現在死亡者の本籍地が韓国にあるものの一括返還交渉を行っているが、進展を見ていない」「(生死確認については、)昭和46年、死亡者名簿を韓国政府へ送付した。個別に照会があれば応じる」と回答。遺族会からの正式の照会について応じるよう求めたところ、プライバシーの問題もあり、遺族個人からの照会には応じているが、「昭和52年以降、靖国神社や戦友会からの照会にも応じていない」と返答があった。一方で、勝手に靖国神社へは合祀しておいて、遺族会の問い合わせには応じないという不当な態度に参加者の怒りは爆発。また、遺骨調査についても、「韓国籍(外国籍)のものとはっきりしているものについては、日本では行わない」など遺骨確認や調査ということについても口では「人道的」と言いながら、まったく人道に反する姿勢が浮かび上がった。時間の関係で要請交渉は途中で終わらざるをえなかったが、それでも1時間近くも予定を超えた要請交渉であった。しかし、厚生労働省は「長い付き合いにならざるをえない」と事実上今後も交渉に応じることを確認せざるをえず、また、初来日した2人の原告予定者の軍籍や供託金の確認には応じざるをえなかった。