第16回口頭弁論 2005年4月13日 東京地裁


咸楊根(ハム・ヤングン)さん意見陳述!

 4月13日、グングン裁判第16回口頭弁論が開催されました。韓国でのダイナミックな過去史清算・戦後補償実現の動きを受けて、50代前半の原告が来日。法廷で意見陳述しました。

涙をこらえての意見陳述

 
 

裁判所で感想報告

 
 

大口弁護士と握手する咸楊根さん

 来日の原告・咸楊根(ハン・ヤンゴン)さんは50代前半。今まで来日した原告の中で一番若い原告です。咸楊根さんは、父の弟・咸百天さんを徴用により亡くしました。そして、今回の裁判とは直接関係ないが、父の兄も北海道の炭鉱に強制連行され、亡くしています。ところどころで涙を抑えきれない様子で、意見陳述を行いました。「健康な青年が連行され、紙切れ一枚になって無残な人生を終えました」「わが国の大統領は、『日本の態度は人類社会で共に追求すべき重要な価値に合わない』『侵略と加害を過去の栄光と思っている人たちと共にすることは世界的に不幸なこと』と言っています」と。今なお、両叔父の詳しいことはわからないのです。

厚生労働省で調査 ― 叔父はバシー海峡で戦死 −

 これまで咸楊根さんは、厚生労働省で軍歴証明を取りよせています。しかしそこには、戦死場所が書かれていないのです。「請求がなかったから」という言い分が聞こえてきそう。戦死場所さえ遺族に積極的に知らせようとしない姿勢こそが問題なのです。戦争に動員しながらその後始末は全くといっていいほど行っていないのです。確認したところ、叔父さんは九州の門司から高雄(台湾)を経て、フィリピンへ向かう「豊岡丸」に乗船中、豊岡丸は米潜水艦の魚雷攻撃により沈没。戦死と認定されたというものでした。北海道に連行された伯父のことは別途調査することになりました。

 


本人尋問を決定―金景錫氏の証人だけは持越し 
 
 第16回口頭弁論の中心課題は、本人(証人)尋問の決定にありました。原告側からは、両遺族会との協議を踏まえて、事前に5名の原告と、原告を代表して太平洋戦争韓国人遺族会会長の金景錫さんの証人申請をしました。しかし被告政府は、文書で意見を表明するという姿勢を崩さず、次回に持ち越しとなりました。このグングン裁判の原告は一次、二次提訴あわせて400名を超えます。その内容も、名も知らない南洋の孤島への動員から、戦後シベリアへの抑留や、BC級戦犯まで千差万別であり、今なお続いている靖国神社合祀問題まで含んでいます。この原告全員への尋問を不可能とする以上、被告・日本政府は金景錫さんの証言を認めるべきです。来日した咸楊根さんは、「この問題はこれまでになく注目されている」と言います。

◇◇◇ 本人尋問 1回目 ◇◇◇
日時:7月14日(木)13:30〜17:00
場所:東京地裁710号法廷(変更)
李熙子(イ・ヒジャ)さん
金幸珍(キム・ヘンジン)さん
李炳柱(イ・ビョンジュ)さん
◇◇◇ 本人尋問 2回目 ◇◇◇
日時:9月1日(木)13:30〜17:00
場所:東京地裁710号法廷
李洛鎭(イ・ナクチン)さん
羅鐵雄(ナ・チョルウン)さん
金景錫(キム・ギョンソク)さん(申請中)