小泉首相の靖国神社参拝に伴なう抗議声明

 今日(10月17日)、日本の小泉純一郎首相は内外の反対を押し切って靖国神社参拝を敢行した。韓日国交正常化40周年を迎えて望ましい過去史清算に基づいた新しい韓日関係を確立しようとしている両国市民の努力を無残に踏みにじる暴挙以外の何者でもない。

 過去、日本はアジア各国を侵略してアジアの民衆を虐殺し、ひいては彼らを侵略戦争の銃弾の的として動員した。アジアの所々に無残に死んでいった怨魂は終戦60年が過ぎてもその恨みをはらすことができずにいる。この間、韓国はじめアジア各国は日本の反省と謝罪を追及してきた。しかし小泉首相は、アジア太平洋侵略戦争をアジアを解放してやるための「大東亜聖戦」であったと主張し侵略  戦争の首謀者であるA級戦犯を軍神と崇めている靖国神社を毎年参拝してきた。

 私たちは小泉首相が軍国主義の象徴である靖国神社を訪問、参拝することは過去の日本の侵略戦争を正当化するのみならず、犠牲者や遺族に癒えることのない傷跡を残し、侮辱することであると絶えず指摘してきた。韓国や日本、沖縄、台湾の遺族は小泉首相の靖国神社参拝が政教分離を謳った日本国憲法に違反し、遺族らに精神的被害を加えているもので、これを中止させるべきであるという訴訟を起こした。先の大阪高等裁判所の判決(9月30日言い渡し)で日本の司法は首相の参拝が靖国神社を特別な位置に格上げし参拝者が増えていることなど、相当な影響を及ぼしており、靖国神社の宗教化を醸成、促進する役割を果たしていると判断した。

 裁判所のこのような判断を気にもかけず、小泉首相はまた靖国神社を参拝した。これは憲法を守護すべき首相が先頭に立って憲法を破るものであり、法治主義に対する深刻な挑戦行為だといえる。さらにアジアを蔑視して日本中心の覇権をねらっていた過去の軍国主義を復活させる宣言であり、「終戦60年」を「軍国元年」に引き戻そうとする歴史の反動以外の何者でもない。

 小泉首相の靖国神社参拝は平和な共生のアジアを願っている周辺国の反発のみならず、日本内の国民感情にも大きな葛藤と分裂を起こすだろう。小泉首相の「大日本帝国の暗い過去に対する復古」は結局、「民主主義の未来に対する自滅」の道になるであろうことを警告する。小泉首相は速やかに靖国神社参拝について謝罪し、外交的修辞で反省と和解の言葉を繰り返すのではなく、実践としてこれらを立証するべきである。

2005年10月17日
民族問題研究所
太平洋戦争被害者補償推進協議会