小泉日本総理の靖国神社奇襲参拝を強く糾弾する

 2004年1月1日、小泉純一郎日本総理が靖国神社を公式参拝することによって、またもやアジアの被害者たちの心に刃を突き刺した行動に対し深い失望と憂慮を禁じえない。

 われわれは小泉日本総理が「日本の平和と繁栄が戦争の時代に命を捧げた尊い犠牲の上に成り立っている」という名目で靖国神社を参拝した行動に対し、そのような行動が日本の平和と繁栄のためにも、アジアの平和と安寧のためにも決して望ましい行動とはなれない点を明白にしたい。

 小泉日本総理は靖国神社を参拝するたびに「平和」を振りかざしながら、日本国憲法を蹂躙して自衛隊の海外派兵を公式化し、日本人拉致問題をもちだして反北朝鮮感情を助長して数万の在日同胞たちに対する嫌悪感情をあおり、2005年に平和憲法の改正を通して軍国主義日本の復活を画策するなど平和に反する行動を露わにしている。

 われわれは特に、今回の靖国神社参拝において、この間、日本の裁判所が違憲であると認定した玉串料に代わって献花料を払った点も指摘せざるを得ない。日本国憲法では政教分離を明文化していることを小泉首相は誰よりもよく知っているにもかかわらず、献花料を払って靖国神社を特別な地位のものとして讃えようとする行為を、決して座視できないことを明らかにしたい。

 今回と同様の事件はすでに昨日今日に始まったことではなく、過去の問題に対しては「謝罪と反省」という形式的な一言で片付け、その後は自衛隊を普通の軍隊にし、戦争ができる国家を作りだすことなど軍国主義への回帰を露わにしている日本の戦略より台頭してきている。

 そしてまた、わが国政府は「未来志向的な韓日関係」だけを主張して、過去の植民地支配の不当性と強制動員被害の真実究明に対しては極めて消極的な姿勢を堅持してきた。同じくわが国の国会も、過去の日本の侵略戦争によってわれわれがどれほど多くの被害を被らなければならなかったか、いかなる被害があったのかについての真相究明特別法を直ちに上程するように求める被害者たちの声を無視したまま政争に埋没している。

 われわれは今回の小泉日本総理の靖国神社公式参拝は、軍国主義に向かっている日本の野望に対し袖手傍観していたわが為政者たちの安逸な歴史認識から起きたことであると指摘しよう。

 不幸な過去を踏まえ未来志向的な韓日関係を構築するためにも、日本の自覚を呼び覚ますための措置が続かねばならず、それは「日帝強占下強制動員被害真相究明等に関する特別法」の速やかな立法を通して、過去の克服のためのわが国民の熱望を示してやることである。

 われわれは小泉日本総理の靖国神社公式参拝により両国関係の友好と信頼が深刻に損なわれている昨今の事態に対し再度深い憂慮を禁じ得ず、日に日に歴史を忘却して右傾化の方向に走っている日本社会に正しい歴史認識を確立するためにわれわれがどんな役割をはたすかを自覚できる機会を迎えることを願ってやまない。

2004年1月2日

太平洋戦争被害者補償推進協議会