在韓軍人軍属裁判の要求実現を支援する会ニュースレター

「未来への架け橋」 NO.88 (2017.12.16発行)

太平洋戦争被害者推進協議会の
忘年会で遺族の皆さん
(12月8日ソウル)

沖縄戦住民遺族からのDNA鑑定希望者名簿158名分を厚労省に提出!
遺骨を故郷に返すために日韓で「安定同位体」研究促進を求めよう!

 12月15日、ガマフヤー(具志堅隆松代表)は、高木美智代厚生労働副大臣に対して直接23名(7月12日に提出した135名分の追加分)の沖縄戦住民遺族からのDNA鑑定要求名簿を提出しました。厚労省はこれまで発掘した遺骨とDNA鑑定する対象として、「戦死した記録のある遺族」に限定するというハードルを設けていました。「誰がどこで死んだかわからない」沖縄戦の実相からも不当なものです。私たちは根拠のない戦死場所にこだわる厚労省に対して「すべての希望する遺族との照合」を要求します。
 一方、遺骨の判別方法として、「安定同位体」による鑑定が有効であることが判明してきました。「安定同位体鑑定」とは、遺骨の炭素、ストロンチウムなどの元素(同位体)を調べれば、幼少期に摂取した水などによって、出身地がかなりの高確率で特定できるという性質を利用して、フィリピン現地人骨混入事件での遺骨判定で使用されている鑑定です。これを利用すれば、「沖縄出身者」や「朝鮮半島出身者」が判別できることになります。個人まで特定できなくても、すべて千鳥ヶ淵に納骨されてきた状況を変える展望があります。
 引き続き「韓国人遺骨を家族・故郷の元へ」返すための活動にご支援ください。

太平洋戦争被害者補償推進協議会共同代表
李煕子(イ・ヒジャ)さんへのインタビュー  (2017年12月11日)

 
  李煕子さん 6・23平和の礎で
Q1 「植民地歴史博物館」の新設に伴い、推進協議会も移転するのですよね?

 はい、12月18日、太平洋戦争被害者補償推進協議会の事務室は「植民地歴史博物館」が新設されるビルの5階に移転します。新しい事務室の隣には強制動員被害者遺族や市民が交流できる空間が設けられる予定です。ビルはソウル市龍山区、南山を見渡すことができる場所にあります。ソウル駅から地下鉄4号線で1駅(淑大入口駅)と、交通も便利な場所です。

Q2 新しい場所でどういうことをしたいですか?

 強制動員被害者や遺族がなぜ苦しみながらも長年活動を続けてきたのか、日本の支援者と共にどのような活動をしてきたのか、その痕跡を集め、整理し、歴史に残し、次世代に語り継いでいきたいと思っています。また、これまで共にしてくださった日本の皆さまと新しい気持ちで会い、交流を続けていきたいと思っています。この間なかなか会うことができなかった方々にも、新しい場所で、初めて会った時のように再会できればと思っています。
   
南英珠さん(右)と申明玉さん 朴進夫さん(右)と李明九さん

Q3 来年に向けて遺骨問題の展望があれば教えてください。

 これまで私たちが共にしてきた努力の痕跡をもう少し発展させ、被害者や遺族の心に響く成果につなげていくための活動の第一は、遺骨問題だと考えます。現在、韓国政府は、強制動員被害者遺族のDNAを収集し、国立科学捜査研究院でデータベースを構築するための予算を立ててはいますが、私たちは、そこからさらに一歩進んで、日本政府と共同調査を進めるよう、韓国政府に働きかけていく予定です。
   
6・23摩文仁で 金城実さんと李煕子さん

Q4 最後に日本の支援者へメッセージをお願いします。

 強制動員被害者団体を支援してくださり、真心を集めてくださっている日本の皆さまには本当に感謝の気持ちでいっぱいです。この気持ちを直接言葉で伝えられないことをいつも残念に思っていますが、私たちは表情で語り合うことができ、私たち遺族はその表情を通じていつも幸せを感じています。皆さま、楽しく幸せな年末年始をお過ごしください。そして2018年、新しい場所で、新しい気持ちで会いましょう。ありがとうございます。

「植民地歴史博物館」の開館(2018年3月)に向け、着実に準備が進んでいます! 

 
 現在、民族問題研究所では、10月に完成した「植民地歴史博物館」常設展示の基本構想を基に、テーマ別の展示資料の選定、パネル・キャプションの整理を進めています。青坡洞(チョンパドン)のビルでは、1階(多目的ホール)と2階(常設展示室)、5階(教育・交流空間)の改装工事を進めています。4階には集密書架(移動棚)と閉鎖型収蔵庫を整備しました。約5万冊の書籍、3万点の歴史資料、事務室の移転は12月18日に完了します。

郵便番号:04310 Seoul特別市龍山区青坡路47Da-gil27 3F
電話 82-2-969-0226


具志堅隆松さんから韓国の遺族の皆さんへメッセージ

 
   
 アンニョンハセヨ! 私は今、東京に来ております。これから衆議院・参議院の国会議員のところをロビー活動に回る予定です。沖縄で戦没者遺骨のDNA鑑定が始まりましたけども、まだまだ内容的に不十分です。四肢骨といって手足の骨が鑑定対象として採用されていません。照合する遺族にしても、発掘された地域別に分けられていて、戦死記録がないと参加できない状況が続いています。そういった問題を解決するために今回も東京に来て、今から国会議員に働きかけを行います。
 沖縄戦の犠牲者は沖縄や日本人だけでなく、韓国の方も多くいます。韓国の故郷に遺骨が帰れるようにしなければなりません。そのための有効な方法として、安定同位体検査という方法があります。導入できないかと国会議員に働きかけていくことを考えています。また沖縄だけではなく、海外戦没者の遺骨を故郷に戻すためにも声を上げていかなければならないと考えています。
 まだまだやるべきことは一杯あります。韓国遺族の皆さんと一緒に努力してやっていければと思います。ともにがんばりましょう!

遺骨を家族の元へ!
沖縄戦住民遺族のDNA鑑定前進のために国会議員要請行動
 (古川)
 
 
国会前で具志堅さんと  
 12月5日、ガマフヤーの具志堅隆松さんと国会議員への要請行動を行いました。衆議院5人、参議院14人に対して、沖縄戦発掘遺骨の鑑定方法や住民のDNA鑑定参加についての状況について問題点を説明し、厚労委員会等で議論してもらう要請を行いました。
 現在、沖縄・魂魄の塔をはじめ、地域の慰霊塔の中に数多く(600を超える)遺骨が眠ったままで、DNA鑑定を通じて希望する家族の元へ返すことができる可能性があります。厚労省は手足の四肢骨をDNA鑑定の対象とする表明はしましたが、一方で片方の骨だけでは対象にしないなどのハードルを設けています。私たちも全ての骨片まで鑑定しろとは言いませんが、遺族にとって1本でも「父」「兄」「祖父」なのです。この日は、遺族に納得のいく基準を設ける必要があることを中心に国会議員への働きかけを行い、3人の議員本人や秘書と長時間意見交流することができました。白眞勲議員からは「遺骨は必ず委員会で議論したい。600体が目の前にあってなぜやらないのか、しつこく追及するので待っていてほしい」と今後も遺骨問題の追及を約束いただきました。
 来年2月頃には国会内集会を開催する予定です。当面、沖縄で先行例を作る努力をし、その後いよいよ韓国人遺族の声に応えるため、日韓両政府を突き動かすための運動を展開したいと考えています。引き続きご支援ください。
   
白眞勲議員と 秋野議員と

ひさしぶりの韓国訪問記 (木村)

 
  春川の事務所で
 久しぶりに降りた南春川駅。洪英淑(ホン・ヨンスク)さん:太平洋戦争韓国人犠牲者遺族会長と向かった事務所には、納骨堂での清掃ボランティアツアーや地元チームとのサッカー交流時の懐かしい写真やペナント、金景錫(キム・ギョンソク)氏に贈った横断幕が大切に展示されていた。グングンニュースや遺骨の取り組みについての資料を渡す。その後、車でソヤン(河)スカイウォーク(硝子の橋)やオリニ会館、図書館、昔の事務所跡など案内してもらう。米軍基地が市に返還された後、壁が取り壊され、どの施設もリニューアルされ 町が整備されていた。洪さんとは韓国語と日本語のチャンポンで会話。互いに理解できなくなると、「パス」と言って楽しんだ。

 ソウルでは、太平洋戦争被害者補償推進協議会の事務所で李煕子(イ・ヒジャ)さん、金鎮英(キム・ジニョン)くん、野木さんに会う。林鐘國(イム・ジョングク)賞授与式で遺族の方々が集まるというので、会う約束をする。事務所横の店で食事をした。トランプ来韓で愛国団体が歓迎で盛り上がっていて、その店にドッと入って来た。ジニョンくんと私が日本語で話していて、ヒジャさんは黙っていた。
 次週、賞授与式には、李ヒジャさん、申明玉(シン・ミョンオク)さん、崔洛(チェ・ナックン)さん、朴進夫(パク・ジンブ)さん、鄭倫R(チョン・ユニョン)さんに会い食事をしたが、その場に日本語のわかる人はいなかった。前日までに遺骨の安定同位体についての説明をハングル語で用意はしていたが、話しをしても、それに対する返答や質問がどこまで聞き取れるか不安で話を出せなかった。
 
遺族の皆さんといっしょに  
 ジニョンくんに もう一度メールを送り、会いに行くことになった。李ヒジャさん、金ヨンファンさん、野木さんにも会う。ジニョンくんに遺骨の検査が進化していることを伝えた。安定同位体を検査するという新たな方法によって、遺骨の出身地域を区別することができる。今まで、DNA鑑定をして遺族が見つからなければ、千鳥ヶ淵に入れられてしまっていたが、まず、日本人か韓国人か分けることができれば、少なくとも韓国に帰すことができると話す。ジニョンくんから「大切なことですね。私がもう少し資料も調べまとめて、皆さんに説明します。」と返事をもらった。やっと、韓国でのミッションを果たすことができたかとホッとした。いつも南ヨンジュさんに会うと、「韓国語の勉強をしっかりしろ。」とお叱りを受ける。今年は、足が悪いようで会うことができず、寂しかった。この紙面を借りて「しっかり勉強します」と伝えたい。
 3月には ソウルに植民地歴史博物館がオープンする。イムジョングク賞授与式でも、参加者が「植民地歴史博物館を共に作ろう!」のプラカードを上げて写真を撮ったが、開館に向けた熱気が伝わってきた。事務所も12月引っ越しに向けて梱包された段ボールが積みあがった中で会議も開かれていた。
 来年4月か5月には 日本の遺族と共に博物館の見学と韓日遺族の交流・一泊旅行を実現したい。朝鮮半島からも、国は「国民」として徴用徴兵したにも関わらず、戦後は国籍条項を盾に戦後補償はもちろん、戦死通知書すら出すことなく放置してきた。日韓遺族への対応は全く異なる。しかし、父や兄を失った遺族の悲しみは共通する。当事者同士の交流から日韓友好のベースを築いていきたい。

<付録>
 ソウルトボ(徒歩)ツアーというソウル市が無料で実施しているツーがあり、今回参加した。 いくつかの市内コースがあり、海外からの観光客向けに言語によって案内人を用意してくれる。恵化駅で案内の方と待ち合わせ、大学路にある建築物の説明を聞きながら巡った。大韓帝国時代の大韓医院が、日本統治下で京城帝国大学となった。これが現ソウル大学の前身であるという。見学した建物の中の一室に、高宗の展示があり、その前 高宗の評価が今見直されているとも聞いた。若者を海外に派遣し、海外の知識を見聞させた。また、アジアでいち早く鉄道を引くなど 近代化を進めようとした点で 評価が高まっていると。こんなツアーも経験されると面白いですので、ぜひ一度お試しください。

ノー!ハプサ第13回口頭弁論の報告 (山本)

 
  意見陳述に立った李仁馥さん
 11月28日、ノー!ハプサ第2次訴訟の第13回口頭弁論が行われました。今回の裁判には、原告の李仁馥(イ・インボク)さんが参加されました。
 前回の裁判で、民族的人格権は韓国人の無断合祀問題の根幹であること、生成過程の人格権であり、基礎づける事実の審理が不可欠であることを原告側から強く主張してきました。しかし、被告側からは、原告が提示した植民地支配から強制動員、原告らの肉親の死、戦後の無断合祀に至るまでの歴史的事実について、正面から答えようとしていません。今回も、靖国神社は「原告らがその近親者である父や兄について、被告靖国神社が行った合祀を不快に感じて異議を唱えているものとみてとれることは別論、そうであるからといって、当該合祀が強制や不利益の付与を伴うことにより原告らの信教の自由を妨害したものと評価するに足る事実が主張されているものとは認め難い」と山口事件最高裁判決を立てに木で鼻をくくったような準備書面を提出しただけです。
 意見陳述に立った李仁馥さんは、「父のいない私の人生は、本当に言葉にできないほど苦しくて悲しいものでした」「父が日本軍に動員されなかったら、家族がバラバラになることはありませんでした。父が戦争に連れていかれたために、私は「お父さん」と一度も呼んだこともありません。父は天皇のために戦ったのではありません。日本に殺されたのです」と訴えました。この遺族の訴えに、「信教の自由」を立てに、無断合祀を合理化する靖国神社の厚顔無恥さに憤りを覚えます。
 原告側からは、準備書面(原告21)(合祀論)、準備書面(原告22)(民族的人格権論)、準簿書面(原告23)(人格権論=セクハラ訴訟)、準備書面(原告24)(人格権論=総論)の4本の準備書面を提出し、執筆した各代理人から概要の説明を行いました。ヘイトスピーチ訴訟やセクハラ訴訟など新しい人格権訴訟の到達点を提示したことは大きな意味があると思います。また、日本国が合祀問題について、準備書面3で一定の答弁を行ったことに対し、沖縄県公文書館から入手した靖国合祀関連文書等を提出し、新編靖国神社問題資料集の文書を詳細に提示して、徹底的な反論を試みました。裁判長は相変わらず、事実認否を拒否する被告に対し、消極的な姿勢に終始していました。こうした姿勢を見た、国の代理人が「そろそろ争点も煮詰まってきたので」と暴言を発しました。原告代理人が、「事実認否もしないでどこが煮詰まっただ。裁判所は責任をもって被告に対して事実認否を求めろ」と要求し、裁判所は原告代理人の求めに応じて、調書に残す一幕もありました。
 事実認否をめぐるギリギリの攻防が続いています。次回以降の裁判にもぜひ注目してください。

ノー!ハプサ第2次訴訟第14回口頭弁論
2018年3月20日(火) 午後2時〜 東京地裁103号法廷

「明治産業革命遺産」に「真実の歴史」を対置して (中田)

 2015年7月、「軍艦島」(端島)や三井三池炭鉱、八幡製鉄所、長崎造船所など太平洋戦争中に数多くの朝鮮人、中国人、連合軍捕虜などが強制労働を強いられた施設を含む「明治日本の産業革命遺産」が「西洋から非西洋への産業化の移転が成功したことを証言する」「顕著な普遍的価値」を持つ産業遺産としてユネスコの世界遺産に登録された。これは「富国強兵」「殖産興業」のスローガンのもとで、朝鮮半島の植民地化、中国大陸での利権拡大をめざしてアジア侵略へ突き進んだ日本の産業基盤の確立としての「明治の近代化」を賛美するものだ。これに対し韓国政府はユネスコの「国際平和と人類の共通の福祉という目的を促進する」ユネスコの設立精神に反すると登録に反対したが、日本政府は「1910年までの急速な産業化をめぐるものであり、戦時期の朝鮮人・中国人などの強制連行・強制労働は無関係」と登録を強行しようとした。最終的に当時の佐藤地ユネスコ大使が「意思に反して連れて来られ,厳しい環境の下で働かされた多くの朝鮮半島出身者等がいたこと,また,第二次世界大戦中に日本政府としても徴用政策を実施していたことについて理解できるような措置を講じる所存である。日本は,インフォメーションセンターの設置など,犠牲者を記憶にとどめるために適切な措置を説明戦略に盛り込む所存」と表明(ステートメント)することで登録が承認された。登録承認時のユネスコの決議には日本政府は自ら行った「ステートメント」に留意して「各サイトの歴史全体についても理解できるインタープリテーション(展示)戦略」を作成して2017年12月1日までにユネスコに報告することが義務付けられた。
   
第2回ユネスコ世界遺産解釈国際会議 軍艦島(世界遺産は島のごく一部)

 
  日韓共同制作のパンフ
 ユネスコ世界遺産委員会での発言の舌の根も乾かないうちに日本政府は臆面もなく@「強制労働」は朝鮮半島に適用された徴用令に基づくものに限られA戦争という「異常な状況下」のやむを得ないものであってB記憶にとどめる「犠牲者」とは強制連行による犠牲者だけではなく日本人も含めた犠牲者一般のことでありCこれまでの日本政府の立場に変更はなくD徴用令が適法である以上違法な「強制労働」はなかった、と公式発表した。これは過去から現在に至るまで積み上げられてきた「強制連行・強制労働」の歴史研究や強制連行被害者の証言などの完全否定であり、この注記自体が「国際公約」違反だ。
 そして今年12月1日にユネスコに提出された報告書には、2019年度に東京に「労働者の歴史」も盛り込んだ情報発信のための「産業遺産情報センター」を設置する予定だが、強制労働が行われた九州から遠く離れた東京に設置すること自体が「負の歴史」を覆い隠そうとしているとしか思えない。
 すでに産業遺産国民会議は、ホームページ上で「軍艦島の真実 −朝鮮人徴用工の検証」と題する3本の映像「誰が世界に誤解を広めたのか」「誰が軍艦島の犠牲者なのか」「誰が歴史を捏造しているのか」を公開し、「軍艦島は「地獄島」ではありません」と言う元島民の証言を公開している。この中で元島民らは、当時朝鮮人への差別は全くなくともに仲よく暮らし、戦後も「海岸に行って手を振ってさよならと言ってみんなを朝鮮に帰した」「お別れというのはものすごく悲しかとさ」など朝鮮人の帰国も暖かく見送ったと証言している。ここには「戦後」をクローズアップさせることによって、何としても「戦中」の強制連行の歴史的事実を誤魔化そうとする意図が見え隠れする。元島民らが見送ったのが、強制連行以前から働いていた朝鮮人家族であるのか、強制連行されてきた朝鮮人なのか。それも曖昧な断片的な証言をそれだけが真実であるかのごとく思い込ませるのは、安倍首相が得意とする「印象操作」だ。また、産業国民会議は近く日本に居住する在日朝鮮人を含む元島民ら約60人から聴取した計約200時間の映像記録の一部を公表するとも言われている。おそらくこのような都合よく切り取った「記録」ではないかと思われる。
 来年は明治維新から150年、2019年は天皇の代替わり、2020年は東京オリンピック開催の年である。新たな「国民統合」の嵐の前の前哨戦とも言える「明治産業革命遺産」をめぐる「歴史戦」に「真実の歴史」を対置して粘り強く闘っていかなければならない。

読書案内
 
   

『ペリリュー 楽園のゲルニカ』
                                         
             武田一義 作  白泉社発行  1巻600円(現在3巻まで発刊)
             日本漫画家協会賞(優秀賞)受賞作品

 太平洋戦争末期のペリリュー島 サンゴ礁の海に囲まれた 楽園の島が戦場になった。米軍は4万人 火炎放射器 ナパーム弾等 容赦なき戦闘態勢に対し、日本軍1万人には長期持久戦に徹すべしという命令が下されていた。ここに漫画家志望の兵士田丸(かわいいキャラ)がいた。この主人公と共にいる兵士を通して、戦場に放り込まれた若者が過ごした?日常”はどのようなもので、何を思い過ごしたか、リアルに描かれている。「持久に徹すべし」という命令は、食料も弾薬の補給も無く“最後の切込み”も許されない状況を維持すること。田丸は「お国を守るために戦争に」来たが、水場の前で倒れた兵を見て、「水を手に入れるために死んだ。」と呟く。過去の戦場が 漫画によって私たちの前に表れる。ペリリュー島には今も2500人の遺骸が放置されたままだという。現在3巻まで出版されていて、4巻が2月に発売予定で楽しみだ。(木村) 

真相究明ネット第11回全国研究集会のご案内
2018年
3月17日(土) 13:00〜18:00 沖縄大学同窓会館(予定)
3月18日(日)  9:00〜15:00 フィールドワーク(南部戦跡など) 
3月19日(月)  8:30〜17:00 辺野古新基地建設反対連帯フィールドワーク
 
 初めての沖縄開催です。「国内植民地」として犠牲を強いられて来た沖縄と日本の朝鮮植民地支配の2つの歴史を学び、植民地主義克服のためになにをなすべきかを考える機会としたいと考えています。
 基調講演@「沖縄戦とは?」(仮題)石原昌家さん、基調講演A「軍人・軍属への強制動員について」(仮題)塚崎昌之さん、沖縄からの報告「特設水上勤務隊について」沖本富貴子さん、「「慰安婦」問題について」古賀徳子さん、「遺骨問題について」ガマフヤー具志堅隆松さん、「次世代へ伝える平和ガイドについて」(仮題)若手平和ガイドの会、その他各地域からの報告などを予定しています。ふるってご参加ください! 

GUNGUNインフォメーション

1月20日(土) 13時〜長生炭鉱水没事故76周年犠牲者追悼集会 
           長生炭鉱追悼広場(山口県宇部市床波1丁目3271番 床波漁協前)
2月10日(土) 午後 帚木蓬生氏講演会 東京大学駒場キャンパス18号館ホール
2月16日(金) 東京総行動 新日鐵住金本社要請行動(15:20〜15:40) 
3月17日(土)〜18日(日) 第11回強制動員真相究明全国研究集会 in 沖縄
3月20日(火) 午後2時〜東京地裁103号大法廷 ノーハプサ 第14回口頭弁論