在韓軍人軍属裁判を支援する会ニュースレター

「未来への架け橋」 NO.46 (2007.10.20発行)


グングン原告のコ・インヒョンさん(右)と太平洋戦史館館長の岩淵宣輝さんが交流
(2007年9月26日・東京)



 

   

遺骨放置の真実から目をそらす装置が「靖国神社」

遺骨調査と戦地巡礼「日韓・和解の旅」を実現しよう!

 安倍晋三首相は辞任しましたが、在任中の「沖縄戦・集団自決への軍の関与」に関する教科書検定問題を巡って、9月29日、沖縄では11万6千人が県民集会を成功させました。「真実を教科書に!」という声が政府・文科省を突き動かしました。歴史改ざんの動きに対して、民衆の意志を示すことが如何に大切かを象徴する出来事でした。
 GUNGUN裁判での大きな課題の一つに「遺骨(遺体)調査」があります。今も南洋の多くの島々に白骨遺体が放置されています。その一部は明らかに植民地出身者のものです。遺族の求める遺骨調査・戦地巡礼を日本政府に要求する必要があります。今回、ニューギニアに200回以上も渡り、遺骨調査を続けておられる、太平洋戦史館館長の岩淵宣輝さんと原告・高仁衡さんの交流が実現し、今後日韓の遺族が連携して上記の運動を進めていくことが確認されました。真実を示し、靖国の「欺瞞」を暴く運動になります。この「日韓和解の旅」をぜひ実現させましょう!GUNGUN第2回口頭弁論は、12月18日(火)14時、東京高裁101号大法廷です。傍聴をよろしくお願いします。
 

控訴審第1回口頭弁論報告

証人尋問にむけて「検討」を表明

   
 
 

大口弁護士

 9月25日、GUNGUN裁判控訴審の第1回口頭弁論が東京高裁101号法廷で開かれました。当日2時間前になって法廷が大法廷に変更になったことが知らされ、「もしや靖国応援団が動員?」と思いましたが、単なる変更だったようです。しかし大法廷にどれくらい人が集まるか不安だったところ、40人くらいの傍聴者があり、何とか緊張感のある空間は作れました。傍聴には同進会会長の李鶴来(イ・ハンネ)さんの顔も。
 口頭弁論では、裁判所から、「靖国合祀の国・靖国の一体性」、「日韓請求権協定」が主要な論点であることの確認がなされました。被告・国も靖国合祀についての答弁を検討することになり、原告はその答弁次第で準備書面を提出する旨を主張しました。
 原告側での証人尋問の申請(人証申立)については、今後の論点の進み具合を見ながら検討することになりました。一方的な審理打ち切りを心配していただけにひとまずは安心しました。ちなみに原告側での人証申立は、以下の8名です。高橋哲哉さん(東京大学大学院教授)、キム・スンテさん(韓国基督教歴史研究所室長)、周剛玄さん(韓国民俗問題研究所所長・文学博士)、李弼泳さん(韓国シャーマニズム協会会長・文学博士)、菱木政晴さん(同朋大学大学院特任教授)、岩淵宣輝さん(太平洋戦史館館長)、李美代子さん(原告・クリスチャン)、高仁衡さん(原告)

高仁衡(コ・インヒョン)さんが意見陳述

   
 

コ・インヒョンさん

 
 

報告集会

 
 

吉沢文寿さん

 

 続いて高仁衡さんが意見陳述を行いました。陳述では、「1948年に済州島で起こった4・3事件後、母と2人の兄を亡くし、1人残された私は孤児のように育ちました。生きていくため手当たり次第にどんな仕事でもするしかありませんでした。そのため学校もろくに通うことができませんでした」と戦争によって切り裂かれた家族の絆を語り、「子として、生きている間に父の死について真相を明らかにするための活動を始めました。父が歩兵78連隊に勤務して1944年9月3日に東部ニューギニアで戦病死したこと」「中でも目を疑ったことは父が靖国神社に合祀されているという事実です」と靖国合祀の文字を見た瞬間の衝撃を語りました。そして「私の父の体は今も東部ニューギニアのどこかに捨てられたまま腐り果てて長い歳月のうちに散らばってしまっています。こうして強制的に引っ張られた人を長い間放ったまま何の対策も立てず、関心も傾けないでいる日本政府と靖国神社の悪行を許すことができない」と遺骨調査と靖国合祀絶止への思いを訴えました。

 弁論後の報告集会は、約30名が参加し弁護士会館で行われました。大口弁護士からの報告、高仁衡さんからの訴え、大阪での取り組みと遺骨(遺体)調査への決意(古川)の後、午前中に東京地裁で開かれていた「日韓会談文書全面公開請求訴訟」の報告を吉沢文寿さんが行いました。

グングン裁判第2回口頭弁論 原告も来日、意見陳述予定!
12月18日(火)14時 101号大法廷


 次回第2回口頭弁論では、国立国会図書館編「新編靖国神社問題資料集」に関する準備書面、被侵害利益についての準備書面を提出予定ですが、国が靖国問題で反論してくるかどうか注目されます。大法廷一杯の傍聴をお願いします。

厚生労働省への要請行動報告

 対応したのは、厚生労働省社会援護局 業務課援護情報管理室の遠藤課長補佐。今回の最大のテーマは、遺族が最も求めている戦死者の記録。高仁衡さんの場合、韓国の国家記録院に保存されている「陸軍留守名簿」には父の死亡場所は記載されていません。にも関わらず、靖国神社からの合祀確認通知文書には、ニューギニアの「ボイキン」という地名が記されています。要するに「祭神名票」として靖国に情報提供した当時の厚生省に何らかの記録があるはずだということです。上記の要望とともに、「韓国政府に手渡っている資料と、手渡っていない資料の種類を教えて欲しい」との要請に、「後日、調査してお送りする」との回答でした。
 その後2週間後に資料の送付があり、死因はマラリアらしいこと、韓国政府に手渡っていない資料に、部隊の戦闘状況を聞き取った資料があることが明らかにされました。この資料を基に戦死場所や死亡原因を推定して「死亡者連名簿」などが書かれたらしいとのことでした。

岩淵宣輝さんと交流 「日韓・和解の旅」が提案される

   
 
 

岩淵宣輝さん

 
 

放置された遺骨

 第1回口頭弁論の翌日、ニューギニアから帰国した岩淵宣輝さんに関空から羽田まで飛んでいただき、高仁衡さんを交えて交流しました。
 岩手県にある太平洋戦史館館長の岩淵さん。お父さんをニューギニアで亡くして以降、父の遺骨を調査して200回以上もニューギニアを訪れています。その模様は、今年8月15日の「ニュース23」でも特集されました。
 岩淵さんと高仁衡さんは同じ年齢で、同じ苦労(父を亡くし母から離れ孤児同然)をされました。岩淵さんは、高仁衡さんの父、高夢賛さんが亡くなったとされるボイキンには何度も行ったことがあり、地元の方とも顔なじみだそうです。高夢賛さんが属していた歩兵78連隊は、久留米出身者が主体で生存者がいるかも知れないとのこと。岩淵さんは語ります。「昭和21年1月に天皇は「人間宣言」をして「現人神」でなくなった。その神が祀って完成する「靖国の神」も神でなくなったということ。靖国の仕組みそのものが、その時点で崩壊している。魂だけが靖国に行くわけがない。兵士は現に「帰るのだったら、かかぁの所」と言っていた。死んだ後も上官にこき使われることを望むわけがない。なぜこれほどの遺骨が放置されたか?それは靖国があったから。毎年8・15に武道館で戦没者追悼行事が行われるが、日本人の中にその時だけいいことをしたような錯覚がある。しかし放置されている兵士は喜ばないはず。靖国は「欺瞞」だ」と。また「遺骨(白骨遺体)の調査と戦地巡礼は、日韓遺族共同の取り組みにするべき。今年は、ハーグ密使事件から100年になるので、その記念事業として、例えば「日韓・和解の旅」と銘打って、大きな事業として両国政府やマスコミを動かしてはどうか」といった、具体的な提案もしていただきました。そして裁判での原告側証人になっていただくこともご快諾いただきました。今後、「日韓・和解の旅」の実現に向けて具体化していきたいと思います。(古川)              
 

語り合おう!海をこえて 野ざらしの遺骨と「英霊」のギャップ (集会報告:小川)

   
 

横山邦彦さん

 
 

写真に見入る

 

 グングン裁判第1回口頭弁論に先駆け、大阪で9月23日に原告の高仁衡(コ・インヒョン)さんと、ニューギニアのビアク島で約70体の遺骨を探された、横山邦彦さんを招いて集会を開催しました。
高仁衡さんの訴えは、1943年に召集令状で徴兵されたお父さんの遺骨を探して自分の家に祭ること、そして靖国神社の合祀を取り下げることです。高仁衡さんは、大変な苦労の中で成長し、ご自身が父親になって、なおさらに父・母の無念が胸に迫り、父が恋しくて、恋しくて・・生きている間に父の死の真相を知りたいと活動してきました。
 横山さんの訴えは、戦後63年・・・いまだに野ざらしのままの遺骨を現地写真で紹介し、いまならまだ誰かが特定できる。急がねばならない。百の論戦よりも「この事実を!」。これが日本の戦後処理の実態である。どんなに経費がかかっても、日本政府がやらなければいけない課題だというものでした。
お二人の発言の前にオープニング企画として、日本青年会議所制作のアニメ「誇り」を鑑賞しました。あの太平洋戦争にいたる歴史を淡々と描いているようですが、アジアを守るために・・・という靖国史観(戦争美化)に通じる意図がきちんと刷り込まれていました。「愛する国・家族を守るために若い特攻兵は死んでいったのだ」と。そして「正しい事実を知りましょう」という語りで終わっていました。最後はそのとおりですが。

 以下、集会での討議を要約します。 
 愛する家族のために死んでいった人たちの死体が、荼毘にも付されず、野ざらしのまま散乱していることが、残された私達家族の本意でしょうか? 靖国神社で追悼されていたらそれで良しと考えるのが、私たちの考えかたでしょうか? いや、私たちはこうした事実を知らないのだ。だから、野ざらしのまま死体を放置して、気づかないでいるのだ。
 もしその死体が私の父であったら・・息子であったら・・愛する人であったら・・と、考えるだけで高仁衡さんや横山さんの悲しみと怒り、訴えが胸に迫ります。また大切な人を失った家族の生活がどのように変わってしまうものか、それは高仁衡さんの証言からも明らかです。集会のまとめで古川事務局長が「日本政府が骨を持っているという証拠がない(所有権がないものに請求はできない)と一審判決で私たちの請求を棄却しましたが、旧日本兵の遺骨は115万柱もまだ現地に残されている。どんな状況で残されているのか正しい事実を知りましょう。その事実の前には日本人も韓国人も台湾人も・・差がない。事実を突きつけて、日本政府に遺骨を探す努力をさせましょう」と、語りました。

     
 
 

チャンゴの演奏

太鼓演奏の後で記念撮影

 さてこの集会のもうひとつのセールスポイントは、子ども全交の子供たちによるチャンゴ、太鼓演奏でした。集会に参加してくれた子供たちに、横山さんの現地写真や、高仁衡さんの訴えはどのように伝わったでしょうか。少し恥ずかしげに、でも誇らしげに拍手を受けるあの子達に心から「ありがとう」を言います。カムサハムニダ!
 

靖国合祀取消を求めるノー!ハプサ訴訟・第一回口頭弁論
原告・弁護団・傍聴一体で法廷を圧倒!靖国側も動員!

 

 

左からヨ・ミョンハンさん、イ・ヒジャさん、ユン・オクジュンさん


 9月7日、韓国人の靖国合祀取消を求めるノー!ハプサ(合祀)訴訟の第一回口頭弁論が東京地裁で開かれました。関東直撃の台風にもかかわらず、韓国からは原告・李熙子(イ・ヒジャ)、尹玉重(ユン・オクジュン)、呂明煥(ヨ・ミョンファン)さんの3人と元韓国民弁会長のイ・ソクテ弁護士ら5名が来日。13時30分からの院内集会、16時からの第一回口頭弁論、夜の報告集会と一日行動が元気に展開されました。


法廷を圧倒した原告陳述、弁護士意見/陳述いやがる被告・靖国

 

東京地裁

 

 16時開始の口頭弁論の1時間以上前から傍聴抽選の列ができました。靖国側もかなり動員しているようで、最後は135番。抽選後も多くの仲間が詰めかけました。16時103大法廷で開廷。まず原告3名が意見陳述。トップバッターの尹玉重さんは「靖国神社の前では多くの日本人が『汚い朝鮮人は帰れ』といい門前払い。なぜ私の父がそこに祀られなければならないのか」と。続いて呂明煥さんは、「父の靖国神社合祀を思うとその悔しさは言葉では言い尽くせない。私のもう70歳一日も早く解決を」、最後に、李熙子さんは「私の父が軍国主義の神社に祀られていることが悔しくて不名誉でなりません。日本が仕掛けた戦争のせいで不幸な死をとげたのに、死に至らしめたところに50年も監禁されている」「靖国神社合祀が遺族に与える被害は何かと問えば、『恨』という心の病」と訴えました。
 陳述を受けて、原告代理人の大口弁護士は「被告は人間としての共感力をもつべき。日本民族をいうなら韓民族はどうか、立場を変えてみればわかるはず」。また内田弁護士は、「単なる宗教法人ではない。特異な歴史観、位置をもつ神社。裁判官も遊就館に行って実際に見てもらいたい」と訴えました。一方、被告・靖国の代理人は、「合祀は教義内容であり、裁判の対象でない。」「原告の陳述は今回だけに」と主張。GUNGUN裁判では国が相手なので、被告代理人は何の反論もしませんが、答弁書どおりとはいえ口頭弁論の場で意見を言うのは緊張感があって面白い。原告の陳述をいかに嫌がっているかがよくわかりました。

広がりを見せる合祀取消の取り組み/次回は11月19日(月)

 
 

福島議員と

 

 

イ・ソクテ弁護士

 口頭弁論に先立つ院内集会では、国会が閉会中にもかかわらず、社民党党首の福島議員、民主党の金田誠一議員が参加。「靖国問題に全力で取り組んでいく」(福島議員)と決意表明いただきました。ほか白眞勳議員秘書、山内徳信議員秘書ら多くの秘書の方々の参加を代表して、靖国違憲訴訟・大阪で闘っていた服部さん(山内徳信議員秘書)から「これまでの経験を生かし、秘書としても頑張る」と挨拶いただきました。報告集会では、大阪の「合祀いやです訴訟」の菱木事務局長からは「A級戦犯こそが靖国神社にふさわしい」の発言。大阪、東京に続いて10月には沖縄で靖国相手の訴訟が始まります。合祀取消訴訟が広がってきています。また、ノーハプサ弁護団も拡充。小泉違憲訴訟をとりくんでこられた河村弁護士が「若い世代に靖国問題を伝えていきたい」とこの合祀取消訴訟に参加。また、韓国のイ・ソクテ弁護士をこの訴訟の補佐人として申請することが確認されました。
 次回口頭弁論は、11月19日(月)午前10時から【30分前に集合】、103大法廷です。今度は、我々だけで大法廷を一杯にするためにご協力をよろしくお願いします。

ノーハプサ第2回口頭弁論 11月19日(月)の前日に
岩淵宣輝さん(太平洋戦史館館長)と原告をゲストに集会を開催!

シンポジウム
「見据えよう靖国の闇が隠す戦争の真実」

11月18日(日)18時30分 文京区民センター(JR水道橋駅)

 

軍都・館山市で「あんにょん・サヨナラ」上映

 8月19日に千葉県館山市「安房平和映画祭」の中で、「あんにょん・サヨナラ」上映と古川講演を開催していただきました。以下、事務局長の八木直樹さんからのお便りです。


   
 

映画祭スタッフのみなさん

 

 映画祭では遠いところをありがとうございました。感想がたくさん寄せられましたので、後日整理してお送りします。今後、農作業の手伝いで若い人たちが訪ねてきたときに、『あんにょん・サヨナラ』も見てもらい、平和について語りたいと思っています。
 私は、地元房総半島にある戦争遺跡の調査と保存を活動の柱とするグループ「南房総・平和をつくる会」を昨年立ち上げて活動しています。ここ旧三芳村の特徴は、軍都と位置づけられて海軍航空隊があった館山とは違い、もともと軍事施設は何もなかった農村に、米軍の上陸を予想して次々と塹壕や地下壕、特攻機発射台、砲台などが作られていったことです。ちょうど沖縄戦が戦われ、松代では巨大な地下壕が掘られた同じ時にです。生活の場が、突然戦場に変わってしまう直前にあの戦争は終わったのです。今、毎日田畑から眺めているこの風景は、もしも地上戦になっていたならばありえなかったことでしょう。このような歴史も、大きな被害を出さなかっただけに、地元でも忘れ去られようとしています。そうしないために、出来るだけのことをしていきたいというのが、私たちのグループの願いです。30代から60代のメンバーが参加しています。昨日も、特攻機「桜花」発射台跡の草刈り作業をしました。それでは、またお会いしたいと思います。



都心の近くに残る戦争遺跡(古川)

 前夜の交流会で館山市周辺に戦争遺跡が多く残っていることをお聞きし、映画祭の後に小沢さんに案内していただきました。東京から2時間の場所に多く残る貴重な戦跡を目にし、「平和遺産」として保存の必要性を感じました。一方で戦争の真実を風化させまいと地道な活動に取り組んでおられる、八木さん、小沢さんをはじめスタッフの皆さんに敬意を表します。

@館山海軍航空隊「赤山地下壕」

A州崎「震洋」特攻基地

B州崎弾薬支庫

C館山海軍砲術学校

@館山海軍航空隊「赤山地下壕」(航空要塞的な機能を持った地下壕)前で小沢さんと
A州崎「震洋」特攻基地(特攻艇を運んだ通路とコンクリートの滑り台)
B州崎弾薬支庫(頑丈で撤去できないため民家の敷地に弾薬庫が残る)
C館山海軍砲術学校(パラシュート訓練用の高さ20m飛び込み台があったプール)


※ NPO法人南房総文化財・戦跡保存活用フォーラムで、見学ツアーを受け付けています。
пF0470-22-8271 fax:23-8110 HP:http://www.internet-ex.com/npo/

「あんにょん・サヨナラ」大東上映会のお知らせ

 12月8日、学研都市線住道駅前のミニシアターで「あんにょん・サヨナラ」の上映をします。1941年、66年前に日本が太平洋戦争を始めた日に開催します。戦争によって引き起こされた問題の責任を未だに放置するだけでなく、沖縄での教科書問題のように平気で歴史を改ざんする今を見直していきたいと思います。 「あんにょん・サヨナラ」の上映は全国に広がりました。小さくても今後もたくさんの波紋になって広がり続けていくことを願っています。今回、ハングル教室の友人が協力を約束してくれ、韓国料理をつつきながら第一回の集まりを持ったところです。ご協力お願いします。(木村)

日時:12月8日(土)午後2時〜5時 
場所:大東文化情報センター(JR東西線「住道」駅高架下)
入場料:500円 【お問い合わせ】FAX:072−877−9520

 

韓国のシベリア抑留被害者と60年ぶりの再会
                    
(池田幸一さんのブログより)

 

池田幸一さん(右)

 

 

申鉉尚さんと

 

 戦後60年、いまだ未解決の「シベリア抑留」にこれで最後の幕を引こうと、政府はこのたび日本人生存者に10万円の旅行券を給付しましたが、乏しい黒パンを分け合って苦労を共にした外国籍兵は今回も対象から除外されました。我々にとってこの不公平は誠に心苦しく、例え半分の一人5万円だけでも分け合いたいと仲間に呼び掛け、取り敢えず9月13日にその一部を届けた次第でした。李炳柱(イ・ビョンジュ)会長をはじめ「韓国シベリア朔風会」の面々12名に迎えられましたが、意のあるところを汲み取って心からの歓迎でした。それぞれの戦後を生き延びた年輪が刻み込まれた顔が涙に濡れたのは辛い韓食のせいばかりではありませんでした。
 今回は4日に渉ってソウルで開かれた「2007歴史NGO世界大会」に参加した私がこの大役を果たしたのでしたが、その私にはもう一つの大きな期待がありました。中央アジアの抑留ラーゲリで一緒だった、平山誠一軍曹こと申鉉尚(シン・ヒョンサン)氏との60年ぶりの再会です。偶然のことから消息が判ったこの人は幸い元気で、固く固く手を握り合いました。日ソの狭間に巻き込まれ数奇な運命に翻弄された韓国籍日本兵がどれだけの苦痛と犠牲を強いられたか、温厚な平山軍曹が語る4年半は日本兵を遥かに越える受難の連続でした。
 今回のささやかな行為がソウルで話題になりました。「シベリア抑留が生んだ日韓老兵の友情と善意」という美談としてでしたが、これはむしろ「戦後処理」を今日まで放置している日本の恥として報道されるべきではないでしょうか。
 

 読書案内

 『遺骨の戦後ー朝鮮人強制動員と日本』     

 
   

      内海愛子・上杉聰・福留範昭 著
                           岩波ブックレット 480円+税

 昨年5月、グングン裁判で裁判所は「遺骨を政府が所有している証拠がないから、請求は認められない」という破廉恥な判決を下し、遺族の激しい怒りを買った。人道上どう考えても「所有権」扱いはおかしいこの問題。死亡した日本人310万人、内60万体の遺骨はいまでも収集可能だといわれるが、政府は南方地域の収集を2006年度から3,4年を目処に「幕引き」する考えだという。上記のように冷たい判決を許さないために、遺骨と向き合い兵士たちがどんな死に方をしてきたかを追及する事が今私たちに求められているのではないだろうか。本書は、遺骨の問題に戦後政府がどのように関わってきたのか、遺骨問題の現状が簡潔に記された入門書として最適である。
 

GUNGUNインフォメーション

11月 4日(日) 大阪団結まつり 11時 大阪扇町公園(JR天満駅下車すぐ)
11月6〜9日  靖国反対共同行動 in ニューヨーク
           国連前プラカードデモ、展示
          シンポ「人権、文明、平和の眼で靖国神社を見る」(コロンビア大学)
          ホワイトハウス前デモ
11月9〜11日 日本平和学会(韓国済州島) 映画「あんにょん・サヨナラ」上映
11月18日(日) シンポ「見据えよう、靖国の闇が隠す戦争の真実」 詳細は案内チラシ(PDF)をご覧ください。
            (ノー!ハプサ、グングン共催)
          18時開場 文京区民センター2A会議室
               (JR水道橋徒歩10分、地下鉄「後楽園」徒歩5分)
          パネラー:岩淵宣輝さん(NPO法人太平洋戦史館代表)、李熙子さん 
11月19日(月) ノー!ハプサ訴訟第2回口頭弁論(東京地裁103号法廷)
          9時30分集合、10時〜第二回口頭弁論
          その後弁護士会館で報告集会
12月 8日(土) 「あんにょん・サヨナラ」大東上映(大阪) 詳細は案内チラシ(PDF)をご覧ください。
          14時〜17時 大東文化情報センター(JR学研都市線「住道」駅高架下)
12月18日(火) GUNGUN控訴審第2回口頭弁論
          14時〜 東京高裁101号大法廷
          その後弁護士会館で報告集会(予定)