2010年10月22日〜25日

第10回納骨堂草刈りボランティアツアー


 
 
 
     

 春川にある強制連行被害者納骨堂の草刈りボランティアツアーは、今年第10回を迎えた。春川太平洋戦争遺族会李先生が前日到着した関西メンバーを新しくできたデパート等変わりつつある町の風景、昔からある市場、市内を流れる孔之川(コンジチョン)へと案内して下さった。米軍基地の跡地が町の一角に変わっていく姿があった。
 23日納骨堂に到着すると、堂の前はすでにきれいに清掃が済み私達は裏に回り、周辺の刈り残された草を取った。金景錫氏のお墓の周りは念入りに小さな草までみんなで取った。金景錫氏の墓前には、以前私達が贈ったギョンソク氏のにこやかな笑顔の写真パネルが飾ってあり、どこからか声をかけられるような気がした。日韓合同慰霊祭には、江原道、春川市からも参列、ソウルから李熙子さん、崔洛勳さんをはじめ推進協で顔なじみのアジュマ達が参加された。会場は用意された椅子だけで足りず立っている人もあり50名程の参列者で埋まった。いつものように、マスコミのフラッシュの中慰霊祭は進行。数えてみると、ギョンソク氏が亡くなられてもう5回目になる。その後の参加者の昼食会で隣の席の方に恐る恐る(返事が聞き取れるか心配)聞くと、朝鮮戦争の遺族の方々だった。解放後も苦しみが継続したことをここでも知らされた。
 昼食後春川の名所、清平寺(チョンピョンサ)に連れてもらった。春川は自然が美しく、丁度紅葉の季節。船で昭陽湖を渡り、30分程山道を歩いて着いたお寺からの眺めは、ほっと心が和んだ。この行程、洪さんの日本語教室のお仲間達が同行して下さった。そのお一人金教翼さんが、江原神宮跡へ連れて下さった。春川のシンボル的な山である鳳儀山の中腹にある世宗ホテルが江原神宮の跡地に建ったものだと。山を背景にして長い長い階段を上ったところで、町が一望できる一等地だった。階段を上って参拝を強要されたと聞いた。暗い中を探すと、解放後打ち壊された階段の石が苔むして転がっていた。「まだまだ連れて行ってあげたい所がある」と声をかけてもらった。
 納骨堂は春川市の墓地移転計画により今後どのような形になるか決まっていない。ボランティアツアーも今年が一区切りと思っていたが、来年が最後のツアーになるかもしれない。
 翌日鉄道で移動、ソウルでは、事務所でヒジャさん証言集会に来日されたチェナックンさんやナムヨンジュさん達が待っていて下さった。期待していた安重根記念館はオープン前で行けなかったが、ナムヨンジュさんにはまる二日間ノレバン(カラオケ)で歌い、チンチルバン(スーパー銭湯のような施設)で泊まり、市場にずっと付き添って下さり、離れることなく過ごした。空港行きのバス停では、私を固く抱きしめて「次はいつくるのか。」と涙まで流して別れを惜しんで下さった。ヨンジュさんが証言集会の最後に私達に「日本を恨んできた」と言われた言葉と共に、充分心に刻み今後の力としていきたい。 (木村)