2007年5月19日

韓国ドキュメンタリーフェスタ in Osaka


「あんにょん・サヨナラ」「テチュリ村の戦争」「ソグム(塩)」の3本上映
仕事忙しかったけど、企画して良かった!!(小川)

 
 
 

講演する丁智恵さん

 私は受付をしましたが、9:30には「憲法集会でチラシをもらったから」とおっしゃる人達が続々と入場。ネットでの紹介という人も複数参加されました。勿論賛同団体からの口コミ紹介も多数あり、参加者は60名でした。ありがとうございました。

 「あんにょん・サヨナラ」の制作に深く関わっていただいた、日韓コーディネーターの丁智恵さんのトークを紹介します。丁さんは「あんにょん・サヨナラ」に関わるまでの自身のルーツを話しながら、誠実な静かな語り口で参加者の心をとらえていきました。およそ1時間の語りが私にはとても短く感じました。丁さんの話を要約させていただくと・・・
「日韓の問題は、政治や既成のマスメディアにまかせていては何も解決しない。互いに過激に取扱うだけで、日韓の溝を埋めようという努力をしていないと感じていた頃「あんにょん・サヨナラ」の企画と出会った。キム ・テイル監督をはじめとした韓国側と日本側とは、それぞれの国での歴史認識、宗教観、教育内容の違いにとまどい、気づきながらも、ある部分ではわだかまりにと発展した。その時打開するために、長く夜を徹して語り合った。そうやって私達が学んだことは、自分たちが加害者だ、被害者だという意識をなくそう。顔の見える関係こそが争いをなくすのであり、人間と人間としての交流の大切さでした。互いの顔が見えて、暮らしがわかる情報を発信することで、政治の力に左右されない戦争の起きない社会を自分たちで作っていきたい。私達の社会の主人公は私達だから、情報を発信する権利は私達にある」と。

 

「テチュリの灯火」の中井監督

 

 丁さんのそんな思いを受け止めながら、「テチュリ村の戦争」「ソグム(塩)」を鑑賞しました。残念ながら私は受付の関係で「テチュリ」はほんとに後半部分しか鑑賞できず残念でしたが、映像にも登場された中井さん(「テチュリの灯火」監督)が、参加者として来場されており、貴重な現地情報もいただきました。
「ソグム」は鑑賞できました。韓国鉄道労働者である女性達が劣悪な労働環境の中で生活し、恋愛し、妊娠し、子を産み、育てるという人間として当たり前の生活が保証されずに流産、体調不良を余儀なくされ、家族の病気の時も休めない実態について、女性達の言葉で正確に語られていました。それ故に非常に臨場感があり、人間としての痛みを共感しました。私ごとながら、30年前「夜勤ができないなら賃金カットで、退職金無し」という身分に怒りを持って労働運動を展開せざるを得なかった自分の姿を重ねていました。その運動のおかげで民間職場としては、かなり恵まれた労働処遇となっていることに誇りを持っています。資本のもとで働く人間としての一体感を感じさせるドキュメンタリーでした。韓国の市民メディアの先進性に学びながら、日本でも市民レベルで情報発信することの大切さを、この日あらためて実感しました。