2006年6月10、11日(ソウル、チュンチョン)

不当判決と闘う原告集会


  5月25日の前代未聞の不当判決を受け、グングン裁判弁護団と支援する会は訪韓し、6月10日ソウル、11日春川で判決報告・原告集会を開催しました。

これほどの不当な判決はみたことがない!
 

 
 

ソウルでの原告集会

 ソウルでの原告集会は、約60名の原告の出席の中、判決の翌日他界された太平洋戦争犠牲者遺族会会長・金景錫さんへの黙祷で始まりました。金景錫さんの戦後補償実現への偉大な功績に感謝し、今後意志を受け継ぐ誓いを込めた黙祷になりました。
 金銀植・太平洋戦争被害者補償推進協議会事務局長から経過報告に続いて、大口弁護士から約40分に亘って報告。「日韓協定にしても、靖国にしても不当極まりない判決であり、控訴して原告の皆さんと共に最後まで闘いたい」と決意が語られました。また殷勇基弁護士からは、「遺骨について、協定締結当時日本政府が持っていれば、遺族への返還義務は消滅する、というこれまでにない不当な判決だ」と報告されました。古川から「あんにょん・サヨナラ」に対する反応と今後運動を広げる決意を報告しました。
 一方原告からは、シベリア朔風会の李炳柱会長が判決当日の動きを、身振り手振りを交えて、臨場感あふれる報告。そのおかげで、原告の皆さんに問題点が伝わったと、直後に李熙子さんが語っておられました。その後原告数名が発言。控訴して闘うことを全員一致で確認しました。

 
靖国合祀取消しに国際的な取り組みを!

  集会には、日本・韓国でのマスコミ報道をはじめ、判決の問題点や今後の対応についてまとめられた冊子が事前に準備されていました。それには、靖国合祀問題での取り組みだけでなく、7月ソウルで行う国際シンポジウム、8月11〜15日の靖国反対共同行動等の方針も詳しく書かれていました。また、今後検討する方針として、国連人権委員会(理事会)への提訴、世界の宗教界へのアピール、新たな靖国提訴が打ち出されていました。

 
新会長を選出し、控訴審を闘う決意!

 翌日は、朝から春川へと向かいました。この判決を待っていたかのように、判決の翌日他界された金景錫さん。それから2週間。服喪の期間にもかかわらず、控訴の日程上、原告集会の開催をお願いしました。

 

チュンチョンでの原告集会

 

 金景錫さんは、自身の加害企業である日本鋼管相手の訴訟を手書きの訴状で始めて以来、日本鋼管、不二越との和解などを勝ち取り、強制連行・戦後補償問題を大きく牽引してきました。その存在の空白は誰にも埋めることはできませんが、私たちは前進しなければなりません。春川の原告集会には理事を中心に約20名が集まってくれました。大口弁護士からの報告に対して、「控訴して成果はあるのか?」など厳しい質問もありましたが、最後には全参加者が控訴の委任状に署名、参加者全員で控訴審を闘うことが確認されました。原告集会後、理事会が開催され、新会長に洪英淑さん(金景錫氏の奥さん)が選出されました。
 その後、全員で納骨堂にある金景錫さんのお墓参りをしました。花を手向け、ご冥福を祈り、最後まで責任もって闘うことを誓いました。
 

 

お墓参り