2006年7月8日〜(東京、大阪)

東京、大阪で「あんにょん・サヨナラ」劇場公開


東京で大成功   

「日本の若者にももっと観てもらいたい映画」(土本典明監督)
 

ポレポレ東中野の観客

 
   
 

トークショー

 

東京劇場上映1500名超の鑑賞者で大成功!
 7月8日(土)から21日(金)まで一日4回上映の「あんにょん・サヨナラ」ポレポレ東中野上映は、当初の出だしの少なさを巻き返し、雨の最終日も160名の方に来て頂くなど、1500名を超える(特別イベントを含めると1700名超)鑑賞者で大成功を収めました。(御園生)

成功へフル回転した上映委員会
 劇場上映を盛り上げるため、2月17日のイベント(李熙子さんと鈴木邦男氏のトーク)を出発点に、4月、5月(グングン裁判判決報告集会)、6月とイベントを重ね、上映を迎えた。その間、上映委員会は、マスコミ関係へのアタック、戦後補償、地域、労働団体への要請、知人友人へのチケットの販売のお願い、集会での宣伝等々フル回転した。
 8日李熙子さんを迎えた初回は席が半分埋まる程度で、あまり伸びない。心配。翌日、高橋哲哉氏と鈴木邦男氏、李熙子氏の特別イベント前の上映で始めて一杯となり、イベントは立見の大盛況となった。一安心。しかし、翌日からは一桁の上映回も。上映委員全員が電話やメール、FAX等で働きかける。グングン裁判を支援する会でもチケットを預かってもらった50名の方を中心に、上映期間中3回FAXを送った(上映状況、新聞切抜き、靖国神社が都内全中学校に文書配布など)。マスコミ報道の影響も大きかった。

成功したイベント、映画に涙する若者
 9日(日)の特別イベントでは、「何が解決されていず、私たちに何ができるか見出して欲しい」(主人公・李熙子)、「国家の論理で死者を利用するのは卑劣」(鈴木邦男一水会顧問)、「追悼は残されたものが生きるために必要なもの。遺族の意思が大切」(高橋哲哉東大教授)と興味深い議論が展開された。また、16日(日)、「水俣」を撮った土本典明監督は「この作品は、非常に丁寧に撮って感動を与える。是非、韓国だけでなく日本の若者にも見て欲しい。」とアピールを送ってくれた。
 この上映に学生チケットで入場したのは120名。多いとはいえないがこれだけの学生がこの期間にこの映画を見てくれたのだ。印象的だったのは、上映終了後、涙しながら出てくる若者が多くいたこと。これがこの映画なのだ。大阪上映に是非、足を運んでください。また、地域、団体、有志での上映を進めてください。


関西でも大阪シネ・ヌーヴォで劇場上映スタート!(木村)

 

シネ・ヌーヴォの観客

 

 7月15日、大阪シネヌーヴォで「あんにょん・サヨナラ」の劇場公開が始まった。
 初日は上映後監督キム・テイル氏と出演者古川さんのトークもあり、予想をはるかに超え会場は満席で、補助椅子も全部埋まった。前日朝日新聞に紹介記事が載り、問い合わせもあったとか。年齢層もいろいろ、映画の間中涙して「この映画は一生忘れません。」と感想を残してくれた若い人もいた。私自身、昨年夏の試作段階から4度目の鑑賞になるが、見るたびに作品の完成度が高まっていることを感じる。
 トークでキム・テイル氏は「日本は経済的にも軍事的にも世界で1・2を争うまでに発展してきたが、アジアへの加害をまだ解決していない。ドイツはヨーロッパで隣国と共に友人として歩み始めているが、アジアでは壁を克服できず今だに平行線のままだ。戦争をくい止めるためにも、この加害と被害の壁を越えなければならない。人間の苦痛は共に共有することができる。映画では、古川氏という人間を通してこういう問題に取り組むことができた。難しい問題ではあるが、日韓共同で作業ができた意味は大きい。互いの文化的社会的違いでスタッフの中にも衝突があったが、その中でいろいろなことが学べて良かったし、こうやって初めて和解が出来ていく。常に日本と韓国の壁に穴を開け続けなければと思う」と。映画の製作過程もまた日韓の壁を破る過程であったと語られた。
 「見なくてもこの映画の結論はわかるよ」という人に「それでも」と誘うと足を運んでくれたが、結果「あの映画は良かった。ぜひ見に行った方がいい」と他の人に声をかけてくれている。「アンニョン オヌル チョウン ヨンファ コマオヨ(今日はいい映画をありがとう)」とメールが届く。見て貰った人から輪がどんどん広がって行く映画だと思う。シネヌーヴォで一人でも多くの人に見てもらえるよう、声をかけていきたい。

キム・テイル監督 劇場入り口で