第15回口頭弁論 2005年2月16日 東京地裁


原告・尹在珞(ユン・ジェラク)さん来日できず!
韓国で強制連行被害申告の受付が始まるなか
グングン第15回口頭弁論行われる!


 2月16日(水)グングン裁判第15回口頭弁論が開催されました。当日は、韓国から尹在珞(ユン・ジェラク:1928年生)さんが来日予定でしたが、体調が悪くなり来日できませんでした。尹さんは、徴兵後日本で八幡製鉄守備隊などに配属され、解放を 迎えた原告です。

●韓国で被害申告の受付開始
 2月1日から韓国では日帝による強制連行被害者の被害申告が始まりました。昨年成立した「日帝強占下被害者真相糾明法」に基づき始まったものです。そして、1月17日には、1965年日韓会談の議事録が公開され、韓国、日本で大きな議論を呼んでいます。今口頭弁論はこのような情勢の下で開催されました。口頭弁論では、シベリア抑留問題で、1949年ジュネーブ条約に関連して「捕虜の労賃については、抑留国と所属国が連帯してこれを支払う」ということが第一義的問題であることを主張する準備書面を提出しました。

●戦後に起きたシベリア抑留・国際法違反
 1945年8月15日、日本の敗戦にも関わらず、徴兵徴用された韓国人は解放されませんでした。45年8月23日ソ連は日本人捕虜のシベリア抑留を決定し、実行に移します。その中には、1万人を超える韓国・朝鮮人も含まれていました。「解放後は祖国へ帰国」という取り決めに反して、日本名で捕虜名簿が作成され、満州にいた多くの韓国・朝鮮人がシベリアに抑留されたのです。
 捕虜を強制労働のために連行することはまさしく国際法違反でした。日本人に関しても問題であるに加えて、韓国・朝鮮人は日帝の侵略戦争の被害者だったのです。植民地からの徴兵・徴用の責任ある日本政府は、改めて韓国・朝鮮人抑留者の帰還を求める必要があるにもかかわらず一切求めなかったのです。そして抑留から解放されてから、所属国(日本)は、捕虜抑留期間中の未払い賃金を本人に支払わなければならない義務を負っていました。南洋からの帰還者には支払われたにも関わらず、シベリアからの帰還者には日本人抑留者にも支払われなかったのです。

●一人ひとりの被害を映し出す証拠を提出
 また、今口頭弁論では多くの書証も提出されました。未払い賃金・弔慰金などの供託金などの証明、軍事郵便貯金の証明、旧陸海軍の部隊留守名簿・身上調査票(合祀済の記載)、靖国神社の合祀証明、靖国神社申し入れとその回答等々を提出しました。一人ひとりの歴史の重さを感じる書証です。
 

 

【甲第613号証】
合祀取消し要求に対する靖国神社の回答で、「厚生省から資料の送付があり」合祀したことをはっきり
と回答している。
「…金智坤(金村武治)氏、李箕斗(李原箕斗)氏の合祀事務を施行した経過でありますが、昭和33年頃厚生省から当両氏の御名前が戦没者として記載された資料が送付され、それに基き、靖國神社は合祀事務を進めた次第であります。…」

 

 
 

羅三柞さんの写真

【甲第629号証】
BC級戦犯として終身刑を受けた羅鉄雄さんの父・羅三柞(羅山徳一)さんの記録
−国立国会図書館でGHQ保管文書より発見−